NEC Orchestrating a brighter world
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通信インフラで、島々の暮らしと経済発展を支える。NECの総合力で挑む海底ケーブル事業。

通信インフラで、島々の暮らしと経済発展を支える。NECの総合力で挑む海底ケーブル事業。

国際通信の99%を担い、インターネットやAI活用など社会活動に欠かせない海底ケーブル。その世界市場をけん引するNECは、太平洋の島しょ国をつなぐ約2,250kmの光海底ケーブル「EMCS」を建設しました。約2年半に及ぶ国際プロジェクトに挑んだ3人が、人々の暮らしを支え、各国の経済発展に貢献する仕事のやりがいを語ります。

大海原に、一から通信網をつくる。設計から敷設までを担う壮大なプロジェクト。

太平洋島しょ国のミクロネシア連邦、キリバス共和国、ナウル共和国を結ぶ初の光海底ケーブル「East Micronesia Cable System(EMCS)」。総延長距離約2,250kmに及ぶこのケーブルは、キリバスのタラワ島からナウル島、ミクロネシア連邦のコスラエ島を経由してポンペイ島へとつながり、3カ国4島に新たな通信環境を提供しました。

日本、アメリカ、オーストラリアの各政府の支援を受けて実施された今回の案件について、プロジェクトマネジメントを担当したYukinori T.は、その目的と意義を語ります。

Yukinori T.:プロジェクトの目的は、これまで海底ケーブルが未開通だったキリバスのタラワ島、ナウル島、ミクロネシア連邦のコスラエ島に、高速・高品質・高信頼なインターネット通信環境を提供することです。この地域では従来、パラボラアンテナによる衛星通信しか利用できず、通信の遅延や接続の不安定さが課題でした。

安定した光通信網が構築されることで、日常生活でのビデオ通話や動画視聴などが快適になるだけでなく、旅行予約サイトといったさまざまなWebサービスの運用も可能になります。光海底ケーブルシステムを通じ、観光業をはじめとした各国の経済的、社会的な発展に貢献すること。それが、私たちNECのミッションです。

▲敷設船から撮影したコスラエ島への陸揚げ時の様子

2012年に新卒入社して以来、一貫して海底ケーブル事業に携わってきたYukinori。約8年間にわたりシステムの設計に従事した後、プロジェクトマネジメントグループに異動し、2023年からEMCSの案件をリードしてきました。

Yukinori T.:私が担当する業務は、コストやリスク、スケジュールの管理にとどまらず多岐にわたります。製造の進捗確認や物流・輸出入の手配、監査への立ち会い、ベンダーの比較から施工管理までを一貫してリードすることが私の役割です。今回はODA案件という背景もあり、政府が求める環境規制への準拠といった対応も行いました。

先進国では通信設備の更新が中心ですが、今回のような未開通の島国にとって、光海底ケーブルは暮らしを大きく変える念願のインフラです。プロジェクトへの参画が決まった際は、島しょ国の人々に貢献できる未来を想像して胸が高鳴りました。

Yukinoriの指揮のもと、システム設計の前半フェーズを担当したAyari M.。2015年に新卒入社し、海底ケーブル事業の営業職として6年間経験を積んだ後、ジョブローテーションの一環で、2021年にシステム設計グループに異動しました。

Ayari M.:営業としてお客様と接する中で、技術の知識を深めたいという想いが強くなっていたため、異動は成長のチャンスだと思いました。SEになり3年目に担当したEMCSのプロジェクトでは、海底のルート調査結果に基づき、ケーブルをはじめ中継器や分岐装置(BU)などの仕様や配置を決定し、工場に製造指示を出すまでを担いました。

最近では海底ケーブルが未開通の国は年々少なくなっており、地域を新たにつなぐ機会自体も限られてきています。そうした中でEMCSに携われることに大きな社会的意義を感じ、SEとしてとてもやりがいのある仕事だと思いました。

そして、Ayariからバトンを引き継ぎ、システム設計の後半フェーズを担当したYasuhiro I.。2006年に新卒入社し、長年海外向けの無線通信システムを手がけた後、2022年に海洋事業部門のシステムグループへ異動しました。

Yasuhiro I.:私が担当したのは、製造から試験に至るまでの後半フェーズです。完成した機器の品質や性能を確かめる工場試験や、お客様をお迎えして行う出荷前の立ち会い試験などを主導し、製造過程で生じる技術的な問い合わせや仕様調整にも対応しました。その後、技術営業に役割が変わってからも、完成まで責任を持ってお客様に伴走しました。

グローバルな社会インフラを支える海底ケーブル事業に挑戦できることは、技術者としてもとても誇らしく、大きなやりがいを感じます。EMCSに携わることが決まったときは、仕事を通じて情報格差の解消に貢献できるのだという喜びがこみ上げました。

現地の期待に応えるため、社内外で力を合わせる。ワンチームで進めた海底ケーブル建設。

「情報の大動脈」とも呼ばれ、通信インフラとして広大な海をつなぐ光海底ケーブル。その構築には、契約から引き渡しに至るまで多岐にわたる工程が存在します。

Yukinori T.:契約締結後は、海洋調査船による海底地形の調査と陸揚げ地点の踏査に取りかかります。並行してシステム設計を行い、仕様が固まった段階で各機器の製造と組み立ても進めていきます。完成した機器同士を接続して動作確認を行った後、陸上工事と海洋での敷設工事を実施し、現地での引き渡し試験を経て完了という流れです。今回のEMCSでも、この一連のプロセスに沿って各フェーズを慎重に進めていきました。

プロジェクトの責任者として、何度も現地に足を運んだYukinori。その中で、島の人々が寄せる期待の大きさを直接肌で感じてきました。

Yukinori T.:工事のタイミングで現地を訪れると、地元のラジオ局がやって来て取材を受けたり、ケーブルが海から引き揚げられる前日にはセレモニーが開かれたりしました。タラワの大統領が直々にスピーチを行うなど、島を挙げての歓迎を受けました。現地政府や島民の皆さんがこのプロジェクトの完成を待ち望み、私たちに期待を寄せてくださっていたため、さまざまな場面で多大な協力を得ることができました。

▲ナウル島での陸揚げセレモニーの様子

そうした現地の期待に応えるべく、複雑な技術課題を伴うシステム設計の前半フェーズを担ったAyari。関係者と密に連携しながら、高い通信品質を保つための細かな仕様調整を重ねていきました。

Ayari M.:今回は既存のシステムに新たなケーブルを割り入れるという難しい構成でした。海洋調査の結果によって新規分岐装置やケーブルの挿入位置が変わるため、電力の供給や伝送性能への影響を、開発部門や製造部門と日々相談しながら最適化を図りました。出張者やリモートワークのメンバーも多い環境ですが、チャットや電話で密にコミュニケーションを取り、今後プロジェクトに関わる関係者に経緯が明確に伝わるよう記録を残すことを心がけました。

設計から製造、そして試験へとフェーズが移行する中、後半の工程を担うYasuhiroは、社内外の多数の関係者との調整を進めていきました。

Yasuhiro I.:製造された中継器とケーブルを工場で接続し、システム全体が仕様を満たしているかを確認する立ち会い試験を担当しました。今回はお客様から、通常の試験に加えてEMCS向け製造済海底ケーブル保管タンクの見学と写真撮影をしたいという特別な要望もあったのです。限られた時間の中で試験工程を滞りなく進められるよう、見学と試験を並行して行うためのスケジュールを調整するなど、関係各所と交渉を重ねながら柔軟に対応していきました。

長期にわたる複雑なプロジェクトを円滑に進めるため、全体を統括するYukinoriは、率直に意見を交わせる環境づくりを意識していました。

Yukinori T.:チームをリードする立場として、メンバーの心理的安全性を確保することを第一に考えていました。少しでも相談しづらい雰囲気があると、リスクにつながるかもしれない細かな情報が上がってこなくなる危険性があるからです。そのため、どんな小さなことでも気軽に相談してもらえるよう、自ら積極的に声がけを行い、風通しの良い環境づくりに努めました。

Ayari M.:プロジェクトを進める上で、そうした風通しの良い環境があることはとても心強かったです。とくに今回は難易度の高いシステム構成だったため、多くの関係部署と連携しながら進める中で判断に迷う場面もありましたが、そうしたときはYukinoriさんに気兼ねなく相談できました。的確な助言に何度も助けられながら着実に前へ進めることができました。

Yasuhiro I.:ケーブルを海に敷設してからだと取り返しがつかなくなるため、一人で抱え込まず周囲と相談しながら進める姿勢が大切です。私も最終のレビューを実施する際には、社内のさまざまな専門家に相談して意見をもらい、何度も入念な検証を重ねました。メンバー全員が卓越した専門知識を持っていて、相談すれば必ず解決策が導き出せます。そのため何か課題があれば全員で知恵を出し合い、最善の判断を下すことができました。

一筋縄ではいかない島しょ国の現場。数々の難題を乗り越え、完成した海底ケーブル。

国や地域ごとに、異なる条件のもとで進められる通信インフラの構築。現場に応じた柔軟な対応が求められる中、EMCSのプロジェクトでは、島しょ国特有のさまざまな課題が立ちはだかりました。

Yukinori T.:とくに苦労したのは物流の確保です。直行便がなく輸送に数カ月を要する上、唯一のコンテナ船が故障して半年以上も物資が届かない想定外の事態に見舞われました。

もう1つの大きな課題が、太平洋の島々に見られる環礁特有の地形です。敷設船の進入できない遠浅の海が続いた後、海底に向かって崖のように切り立つ地形に変わっていることにより、船から陸上へのケーブル引き込み工事の設計には膨大な時間がかかることが予測されました。そのため、船の手配や運航計画が決まるのを待っていては、陸揚げの設計が間に合わなくなるリスクがあったのです。そこで、陸揚げ工事専門の外部業者と早期に専属契約を結び、船の動きとは切り離して工事設計を進めるという、特殊なアプローチで乗り越えました。

▲敷設船が接近できない遠浅の環礁であるタラワ島にて、浮体を装着したケーブルを引き揚げる様子

Yukinoriが現場の環境に応じた対応を進めていく一方で、Ayariもシステム設計において難しい課題と向き合っていました。

Ayari M.:設計面でとくに苦労したのは、陸揚局にある既存システムと最新装置の統合です。現場では2018年導入の旧型機器が稼働しており、新旧を統合させるにはソフトウェアアップデートや仕様変更を伴うため、構成が非常に複雑だったのです。

もともと私は海中のシステム設計が中心で、陸揚局の設備設計に関する経験がありませんでした。そのため、過去の資料を丁寧に紐解き、社内の専門家に相談しながら、どのようなアップデートや調整が必要なのかを一つひとつ確認して設計条件を固めていきました。

そして、プロジェクトが大詰めを迎えた最終フェーズ。Yasuhiroは既存の地上回線がない現場で、遠隔操作試験に挑みました。

Yasuhiro I.:受入試験を行う際は通常、陸上設備を遠隔監視する専用回線を使用するのですが、今回は地理的な制約によりその回線が用意できない環境でした。そのため、初めて衛星通信を使って現地の遠隔操作試験に挑んだのですが、通信品質の変動や通信の安定性に課題があり、各種対応に苦労しました。操作指示を出しても応答までに普段より時間がかかる可能性があるため、本番試験の前に事前に通信状態や動作を確認しながら慎重に進める必要があったのです。

さらに今回は、現地に来られないお客様に向けたライブ中継という初の試みも並行して実施しました。操作拠点であるフィリピンのネットワークオペレーションセンターへ出張し、日本のメンバー、現地の各局の試験担当者、そしてお客様を同時につなぎ、不安定な通信をコントロールして全体を取り仕切りました。

こうして数々の障壁を乗り越え、契約締結から約2年半の歳月を経て無事に完成したEMCS。プロジェクトを担った3人は、新たな通信インフラを通じて、島々の暮らしや社会の発展に貢献できる喜びを実感しました。

Yukinori T.:社内の関係者はもちろん、お客様も「何でも協力する」と声をかけてくださり、ワンチームで臨んだプロジェクトでした。そのため開通したときの喜びは、何倍にも大きく感じられましたね。1つ思い出深いのが、滞在先が確保できずに困っていたときのこと。現地はまだ観光業が育っておらず宿泊施設が限られているのですが、その際にお客様が「任せろ」と言って、私たちのために地域と協力して場所を工面してくださったのです。そうしてさまざまな面で助けていただいたからこそ、プロジェクトを完遂できたのだと感謝しています。

Ayari M.:私は後半の工程で育児休業に入ったため、完成の瞬間を直接見届けることはできませんでした。当時、もっとも気がかりだったのは、稼働中だった既存の海底ケーブルを一時遮断して行う接続作業です。すでに海底ケーブルが開通済みとはいえ、その既存ケーブル1本に頼っているミクロネシア連邦のチューク島では、工事期間中、通信容量の限られた不安定な衛星通信に頼らざるを得ないため、もしトラブルで作業が長引けば、現地に多大なご迷惑をおかけすることになります。失敗が許されない工程が無事に終わって心から安堵するとともに、新たな通信インフラを通じて現地の方々の生活向上に貢献できることがうれしかったです。

Yasuhiro I.:何もない大海原に一からシステムを構築する海底ケーブルの仕事は、実際にやってみないとわからないことの連続です。だからこそ、あらゆる試験をクリアし、お客様と約束した仕様をすべて満たして引き渡せた瞬間の達成感は、言葉に表せないものがありました。開通後、お客様から感謝の言葉を綴ったメールが次々と届いたときも、喜んでいただいていることがダイレクトに伝わってきて、胸が熱くなりました。

設計から施工までを一貫して担う。NECだからこそ描ける、海底ケーブル事業でのキャリア。

島しょ国ならではの難題を乗り越え、海底ケーブルが未開通だった地域に新たな通信インフラを届けた3人。その経験を糧に、次の目標に向かって挑戦を続けていきます。

Yukinori T.:プロジェクトマネージャーとして、立ち上げから完了までのすべての工程を運営できたことは、私にとって大きな自信につながりました。今回の経験を土台に、今後はさらに関係する国や拠点の数も多い、大規模なプロジェクトのマネジメントに挑戦したいと考えています。

Ayari M.:営業からシステム設計へと転身した当初は、わからないことがあまりに多くて途方に暮れたこともありました。ですが、経験を重ねる中で専門知識が培われ、少しずつ担当範囲が広がっていきました。そして今回、自らの判断でお客様と主体的に議論できたことに、SEとしての大きな成長を感じています。今後は技術的な知見と過去の営業経験を活かし、プロジェクトマネジメントに関する経験も積みたいと考えています。

Yasuhiro I.:プロジェクトの立ち上げから完了までの全プロセスを経験し、システム構成やお客様の要件を深く理解できたことは私にとって大きな収穫です。現在は海洋営業統括部で応札業務を担当していますが、この経験のおかげで、より精度の高い提案や見積もりができるようになりました。今後は、お客様からの提案依頼への対応スピードをさらに上げるため、過去の資料を整理してデータベース化する取り組みも進めたいと考えています。

EMCSのプロジェクトをはじめ、合計45万kmの敷設実績を持ち、日本で唯一の海底ケーブル・トータルシステムサプライヤーであるNEC。そこには、他社では得られない挑戦の機会と、キャリアの可能性が広がっていると3人は語ります。

Yukinori T.:製造から施工まで一括で請け負う製販一体の体制は、NECの大きな強みです。長期間のプロジェクトでは予期せぬトラブルがつきものですが、製造日程の調整など、現場に合わせた多角的なアプローチができます。

何より、自社で研究だけでなく製造も行っていることは、キャリアを築く上で魅力です。装置やシステムの構造を根本から知り尽くしたエキスパートをめざせるからです。社会インフラを支える責任とやりがいを感じながら、専門性を高めていきたい方に、ぜひ挑戦してほしいと思います。

▲海底ケーブルの製造・積み込み拠点であるOCCにて(写真左から2番目がYukinori)

Ayari M.:現場ではチーム一人ひとりが強い責任感と高いプロ意識を持ち、わからないことがあっても誰かに相談すればすぐ的確な答えが返ってきます。そうした環境と、若手に挑戦の機会を与えるカルチャーがあるからこそ、文系で営業出身の私でもSEとして着実に成長できました。

事業の拡大に伴い、キャリア採用者や他部署からの転入者も多く、多様なバックグラウンドを持つ仲間と高め合えるのも大きな魅力です。国や文化の異なる海外のお客様やパートナー企業と協力し、巨大な海底ケーブルをつくり上げる仕事は、ここでしか経験できません。チャレンジングなプロジェクトを通じてキャリアの可能性を広げたい方に、ぜひ飛び込んできてほしいです。

Yasuhiro I.:NECの強みは、海底ケーブル事業で培った60年以上の実績とノウハウを活かし、グループ会社と連携して円滑にプロジェクトを推進できる体制があることです。そしてAyariさんが言う通り、チームメンバーのバックグラウンドはとても多様であり、困ったときには各分野のプロフェッショナルとしてお互いに助け合える温かい風土が根付いています。

予算規模は数百億円にのぼるため、責任が重くタフな仕事ではありますが、だからこそ建設が完了したときに得られる達成感や、人々の暮らしを支えられるやりがいは他では得られないものです。NECでしかできないスケールの大きな仕事に挑戦し、世界を舞台に活躍したい方の参画をお待ちしています。

※ 記載内容は2026年9月時点のものです

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