ジョブ型人材マネジメントのもと、専門職の育成を加速させているNEC。事業トップと人事が連携する職種別人材育成委員会の取り組みを通じ、現場ではどのように市場価値の高い人材が育っているのか。第一線で活躍するデータサイエンティストとコンサルタントの成長プロセスから、実務に直結する学びやキャリアの可能性を紐解きます。
事業トップと人事が連携。ジョブ型人材マネジメントでめざす、人的資本の最大化。

NECはグローバル競争で勝ち続けるために、戦略起点で「適時適所適材」を実現するジョブ型人材マネジメントを導入しています。その推進に向け、職種軸で専門スキルを強化し、NECグループ全体の人材育成を高度化することを目的として設置されたのが、組織横断の職種別人材育成委員会です。マーケティングや技術開発など6つの領域を代表する役員が委員長を務め、事業成長に貢献するプロフェッショナルを育成しています。
職種別人材育成委員会において重視されているのは、専門性の定義を現場主導で行うことです。各組織のリーダーと共にスキルアセスメントデータの分析やジョブの見直しを継続的に実施。職種ごとに求められる人材像を事業戦略に応じて明確化することで、社員が自律的にスキルを磨くための指針を示し、人的資本の最大化に向けた基盤を構築しています。人材育成においては単に研修を提供するだけでなく、定義されたジョブに対して必要な能力をどのように磨くかという実効的なアプローチにまで踏み込んでいます。
こうした取り組みを通じ、現場で働く社員のキャリア形成にも確かな変化が生まれています。ストラテジーコンサルティング統括部でコンサルタントとして活躍するTakaaki O.が、その実感について語ります。
Takaaki O.:ジョブディスクリプションにより、職務遂行に必要なスキルや役割が明確に定義されたことで、コンサルタントとしてのキャリアパスが描きやすくなりました。次のレベルに進むためにどのような知識や経験を獲得すべきかが体系化されていて、そのために必要な研修もわかりやすく一覧化されています。学びと実践をうまく循環させながら、スキルアップに取り組めている実感があります。
アナリティクスコンサルティング統括部でデータサイエンティストとして最前線に立つTomoki T.も、専門職の視点からジョブ型人材マネジメントの価値を強調します。
Tomoki T.:私が入社した2019年当時は、データサイエンティストはまだ新しい職種でした。そのため業務に必要なスキルは、先輩や上司から個別に継承されていたのです。それが今では、必要なスキルセットが可視化され、学びの機会も豊富に用意されるようになりました。自分の得意領域を伸ばしつつ、不足している知識を的確に補えるようになったことで、成長スピードが速くなったと感じています。
現場での実践が成長を加速させる。難易度の高い案件で磨かれた、プロとしての視座。

教育環境が整備されていく中、現場での実践を通じて専門性を高めてきたTakaakiとTomoki。Takaakiは2017年に新卒入社した複合機メーカーで新規事業の立ち上げに従事した後、2021年にNECへキャリア入社してコンサルタントに転身しました。
現在では製造業を中心としたお客様に、DX戦略や事業戦略、新規事業企画などを支援して成果を発揮。しかしコンサルタントになりたての頃は、苦しい時期を過ごしたと振り返ります。
Takaaki O.:コンサルティングファーム出身の上司から、毎日のように厳しいフィードバックを受けていました。「リード文の一文一文や資料の中のオブジェクトの一つひとつに、どれだけバリューを出そうと思考したのか」「バリューがない」と指摘され続け、レビューが永遠に終わらないのではないかと途方に暮れたことを今でも鮮明に覚えています。
そうした辛い状況に際し、Takaakiの原動力となったのは「お客様の役に立ちたい」という強い想いでした。
Takaaki O.:私が他社のコンサルティングファームではなく、事業会社であるNECのコンサル部門への転職を決めたのには明確な理由があります。戦略を「絵に描いた餅」で終わらせず、事業会社である自社の変革実績と最先端のテクノロジーを持って、実装まで伴走できると感じたからです。
手触り感のある変革を実現し、お客様のお役に立ちたい。そのためには自分のスキルをもっと磨かなければならないと考え、厳しいフィードバックにも必死で食らいついていきました。そうして粘り強く向き合い続けた結果、徐々に認めていただけるようになりました。製造業のDX戦略部門へ常駐した際には、DX戦略やDX組織・DX人材企画を中心に、経営層向けの資料作成などを2年以上と長期にわたり継続して伴走支援させていただきました。さらには、セキュリティ、データマネジメントなどのNECが強みとしている領域について個別テーマとして切り出し、ご支援させていただくことになりました。
一方、2019年に大学院を修了後、それまで培った統計学の知見を活かすべくNECに新卒入社したTomoki。現在は建設業を中心に小売業や製造業、官公庁などの幅広いお客様を担当し、回帰分析や判別分析、最適化など幅広い分析案件を手がけています。
最近では生成AIの活用案件に携わり、データサイエンティストとして第一線で活躍しているTomokiですが、入社した当初は大学での研究と実践との違いに戸惑いを感じたと振り返ります。
Tomoki T.:私は大学と大学院で統計学を専攻していましたが、ビジネスの現場では高度な分析手法を知っているだけでは通用しませんでした。実際のデータ分析では、建設業や物流業など、お客様のドメイン知識を深く理解し、分析に反映させることが重要だからです。
そしてお客様と密にコミュニケーションを重ね、要望を引き出すヒアリング能力も求められます。こうしたデータサイエンティストとして必要な実践スキルを、多種多様な業界の案件に取り組む中で磨いていきました。
お客様の課題に寄り添いながら、Tomokiは分析の高度化をめざして生成AIの知識も習得。身につけた新たなスキルを駆使し、データサイエンティストとしての価値を発揮しました。
Tomoki T.:一例として、ハウスメーカー様向けに提案支援ツールを開発した案件があります。これは「家に愛着が持てる設計」といった抽象的な要望を整理し、必要な要素を生成AIで導き出すというソリューションです。
また、ビール職人とコラボレーションした「人生醸造craft」というプロジェクトでは、生成AIがビールのレシピ案や商品紹介文を作成し、最終的にビール職人が判断して醸造するというプロセスを構築しました。AIと人の共創を通じて効率化と質の向上を追求し、新しい価値を提案できたと感じています。
インプットをビジネスの価値に昇華。専門性の深化を支える、学びの循環システム。

高度な案件に取り組み、現場でバリューを発揮し続けているTakaakiとTomoki。2人の活躍を下支えしているのが、NECの教育プログラムです。職種別人材育成委員会では、単なる知識のインプットにとどまらない、実務に直結する学びの機会を提供しています。
その充実した学習環境を、Tomokiは積極的に活用。現場以外でもデータサイエンティストとしてのスキルを磨いていきました。
Tomoki T.:とくに実務に直結したのが、Python講座とデザイン研修です。Python講座は2日間みっちりとコードを書く実践的な内容で、最新の分析手法を実装するプログラミングスキルが大幅に向上しました。デザイン研修は1日間の講座でしたが、パワーポイントを用いた資料作成において、情報をいかに視覚的にわかりやすく整理するかを徹底的に学びました。
デザイン研修は、Tomokiがデータサイエンティストに必要なスキルの1つとして挙げる、「情報を整理する力」の向上にも役立ちました。
Tomoki T.:データ分析の現場では、精度を上げるために数多くの施策を試すため、その努力の過程をすべてお客様に提示したくなってしまいます。しかし、情報量が多すぎるとお客様は混乱してしまうため、情報を整理するスキルが必要です。それをデザイン研修を通じて身につけられたことで、お客様によりわかりやすく端的に伝えられるようになり、そこから次の案件へとつながりやすくなったと感じています。
コンサルタントのTakaakiも、NEC独自の育成プログラムを大いに活用して専門スキルを体系的に身につけていきました。
Takaaki O.:私はキャリア入社してすぐに、コンサルタントの基礎スキルを学ぶ「Digital Organizer Program(DOP)」という研修を受講しました。DOPは基礎編とアドバンス編があり、それぞれ約4~5カ月という長期間にわたって取り組むプログラムです。
基礎編ではグループディスカッションなどを通じてコンサルタントの土台となるスキルを学びました。アドバンス編では実際に他企業の方に仮のお客様としてお手伝いいただき、事業活動の課題について仮説を立て、その解決策までのプレゼンテーションを行いました。これらは実際の案件デリバリーと並行して行います。そのためDOPでの学びをすぐ実践に活かしてPDCAサイクルをスピーディーに回すことができ、学んだスキルを効率的に定着させられました。
学びを単なる知識に留めず、実践に活かしてバリューを発揮する──そのためにTakaakiが思考の土台としているのは、研修で磨いた「構造化」の視点でした。
Takaaki O.:一例ですが、膨大な情報から具体的な示唆を導き出す際に、情報を整理して論理的な道筋を立てる「構造化」の視点が不可欠です。この視点がないと、闇雲なリサーチに終始してしまいかねません。どの切り口で整理すればお客様のバリューにつながるのか、その思考の型を研修で学べたことは、コンサルタントとして大きな支えになっています。
NECならではの幅広い事業領域を活かして。プロフェッショナルとして挑戦を続けていく。

豊富な実践の場と充実した教育環境を活かし、成長を重ねてきたTomokiとTakaaki。現状に満足せず、次のキャリアビジョンを描いています。
Tomoki T.:今後はデータサイエンティストとして自ら手を動かすだけでなく、チームメンバーの分析全体を統括できる人材になりたいと考えています。そのためにはプロジェクトマネジメントのスキルが必要不可欠です。研修を活用して知見を磨きつつ、将来的には国際資格であるPMP®の取得にも挑戦したいと思います。
Takaaki O.:短期的には、DX戦略などの大きな方向性を定めるレイヤからしっかりとお客様のお役に立ち、その先の個別テーマまでNECに任せたいと思っていただけるよう、より多くの知識をつけたいと考えています。しかし、DX戦略を立てる上では、そもそも経営・事業として何を実現したいかが重要となります。そのため中長期的には、変化の激しい中でさまざまな意思決定をされている経営層の方とも対等に議論できる視座を持ち、高いバリューを出せるコンサルタントになることが目標です。グローバルの最新事例にもアンテナを張りながら、経営や財務などの勉強もしたいと考えています。
新たな目標に向かい、挑戦を続けている2人。そのモチベーションは、専門性を存分に発揮できるNECの環境によって支えられています。
Tomoki T.:建設業、小売業、製造業、官公庁、ヘルスケアなど、これほど幅広い業界のお客様と深く関われるのは、海底から宇宙まで多様な事業を手がけているNECならではです。ある業界で直面したデータ分析の課題が、まったく異なる業界のソリューションに応用できることも多々あります。
特定の領域に留まらずに専門性を拡張し続けられることは、データサイエンティストとしての市場価値を高める上でとても魅力的だと思います。
Takaaki O.:私たちが支援させていただくお客様は、売上高数千億~数兆円規模の企業が多いですが、コンサルタントとしてこれだけ幅広い業種・規模感の企業の経営層と直接会話する機会が得られるのは、NECの事業規模と信頼があるからこそです。そして各分野のプロフェッショナルが社内にそろっていて、相談すれば進んで力を貸してくれます。
また、個人のキャリア志向を尊重し、希望する案件へのアサインを考慮してもらえることも魅力です。入社当時の部門長から「自分の市場価値を高めるために、NECを利用する感覚で働くように」と言われたことは今も強く印象に残っています。
このエピソードに象徴されるように、NECは社員が主体的に挑戦し、自らキャリアを選択できる環境づくりを大切にしている会社です。一人ひとりが専門性を磨き、市場価値を高めることは、そのままNECの組織力と企業価値の向上につながっていきます。
社員と会社が「選び・選ばれる」関係を築き、共に成長する。こうした人的資本経営の実践を通じて、NECはグローバルで勝ち続ける組織へと進化し、社会価値の創造に挑み続けます。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです