2022年にNECに新卒入社したHane K.。アナリティクスコンサルティング統括部でAI技術を活用した社会インフラ企業の業務変革支援に携わっています。「社会に貢献できた実感を初めて持つことができました」と話すHane K.が、研究から実業務への転換と成長の軌跡を語ります。
研究への情熱と多様な経験が導いた就職活動の軸
大学、大学院時代を通じて、私が最も力を注いでいたのは研究でした。畜産業における人手不足や作業の属人性といった現実的な課題に向き合い、AIを活用した計測システムの開発に取り組んでいました。研究室にこもって研究するだけでなく、学会への参加や共同研究先への訪問など、積極的に外に出て実際の課題を自分の目で確かめることを大切にしていました。現場で直接見聞きすることで、本当に求められている解決策が何なのかを肌で感じることができたと思います。
研究以外にも、学内のコンペティションに参加して予算を獲得し、課題発見から企画、そして実際のプロダクト開発まで一連のプロセスを経験しました。また、アルバイトでは塾講師や飲食店での勤務はもちろん、単発でホテル清掃やイベントスタッフなど、少しでも興味が湧けば何でもチャレンジしました。多様な経験を通じて、さまざまな視点から物事を捉える力を養うことができたと感じています。
こうした経験を積む中で、就職活動では明確な軸を持つようになりました。特定の領域にとらわれることなく、常に新しいことを学べる環境であること、技術力があり技術に対して真摯に取り組む企業であること、そして自分のこれまでの経験や研究を活かせる部署への配属が確約されるジョブマッチング制度があることを重視しました。加えて、働きやすい会社の仕組みや社風があることも大切な条件でした。
最初にこの会社について知ったとき、「海底から宇宙まで」というキャッチフレーズ通り、様々な領域で事業を展開していることに魅力を感じました。一方で、伝統的でお堅いイメージも持っていたのが正直なところです。しかし、実際にインターンシップに参加してみると、そのイメージは良い意味で覆されることになったのです。
オンライン研修から始まり、多様なチームを経験したキャリアの軌跡
入社したのは2022年、コロナウイルスによる変化がまだ色濃く残っていた時期でした。新人研修は全てオンラインでの実施となりましたが、グループ会社の方々と一緒に充実したプログラムを受けることができました。ロジカルシンキングやビジネスマナーといった基礎的なスキルから、仕事の進め方と心構え、アイデアの生み出し方まで、幅広いテーマでグループワークを行いました。画面越しではありましたが、同期との交流を通じて、この会社で働くイメージを具体的に描くことができました。
部署配属後は、約1か月間実務を想定した研修を受けた後、実際の業務に入りながらOJTの形で理解を深めていきました。また、社内には自分で選択できる研修が豊富に用意されており、上司やメンターからアドバイスをもらいながら必要なスキルを身につけていくことができました。
入社後のキャリアを振り返ると、金融業界チームでスタートし、その後製造・電力チームを経て、現在は流通・小売りチームに所属しています。一見すると転々としているように見えるかもしれませんが、チーム間の距離が非常に近いため、別チームに移っても元々の領域の案件を継続したり、他チームの案件に参加したりすることが頻繁にあります。自分のやりたいことを最大限反映していただける環境があることに、とても感謝しています。
入社前に抱いていたイメージとのギャップも印象的でした。正直なところ、NECはお堅い雰囲気を想像していたのですが、実際は全く違いました。中途で入社される方や社内公募で異動されてきた方も多く、様々なバックグラウンドを持つメンバーがいるため、非常にオープンで活気のある職場でした。また、働き方についても大きな驚きがありました。毎日決まった時間に出社するという一般的な社会人のイメージとは異なり、テレワークやシェアオフィスを活用しながら柔軟な時間で業務を開始できます。用事があれば中抜けや早退も可能で、非常に働きやすい環境が整っていることを実感しました。
生成AIと向き合う現在の仕事と成長の軌跡
現在、私はアナリティクスコンサルティング統括部で、AI技術を活用し社会インフラ企業や官公庁の業務変革支援に取り組んでいます。特に力を入れているのは、金融業界向けの生成AI活用検証です。並行して小売業や防衛案件の提案活動も行いながら、社内の技術検証チームの一員として新技術の調査やノウハウの横展開にも携わっています。
プロジェクトリーダーとして機械学習や生成AIを活用した検証に取り組む中で、メンバーとのディスカッションを通じて分析方針の立案や検証内容の検討を行っています。技術をどう活用するかを多角的に考え、時には技術アドバイザーとして案件に関わることもあります。
最も印象深い成功体験は、一年間お客様と伴走しながら検証に取り組み、実際にその検証を組み込んだシステムが開発され、活用に至ったことです。社会に貢献できた実感を初めて持つことができました。また、取り組みの姿勢を評価いただき、お客様との信頼関係を築けたことは大きな自信につながりました。会社としての評価に加え、自分自身を評価していただけたことの意味は計り知れません。
一方で、研究とは異なり、分析をするだけではなく結果にどんな意味があり、それをどう活用すれば課題を解決できるかを多角的に考えて伝えることの難しさを痛感しています。学生時代と比べ、タスク管理能力や技術検証から実業務への適用・運用まで考える力、そして社内外を問わず様々な人とコミュニケーションを取る力が大きく成長したと感じています。
生成AIとマネジメントで切り拓く未来への挑戦
今後挑戦してみたいことを考えるとき、まず頭に浮かぶのは生成AIを活用したソリューション開発です。この技術が持つ可能性は計り知れず、社会にとって本当に価値のあるものを生み出したいと強く思っています。同時に、様々な業界の知識や経験を積み重ねながら、自分の技術力も高めていきたいと考えています。
最近はプロジェクトリーダーを任される機会が増えてきました。これは嬉しい変化である一方で、新たな課題も見えてきています。単に成果を出すだけでなく、チーム全体が動きやすくなるような環境づくりが重要だと実感しています。マネジメント要素を含む経験を積むことで、技術者としてだけでなく、人を動かす力も身につけたいと思っています。
中長期的には、何らかの分野で「これは私に聞けば何とかなる」と思っていただけるような、明確な強みを見つけて伸ばしていきたいです。そして最終的には、お客様の課題の根本を理解し、お客様とNECの両方の価値が最大化するようなソリューションを生み出せる人材になることが目標です。
学生の皆さんには、アナリティクスコンサルティング統括部の魅力をぜひ知っていただきたいと思います。本当にフラットで優しい環境があり、困っているときはチーム関係なく助けてくれる文化があります。若いうちから責任のある仕事に挑戦でき、様々な才能やバックグラウンドを持つ方々から日々刺激を受けながら働けます。技術力があり熱意のある方が多いのも大きな魅力です。
活躍できるのは、好奇心旺盛で「知らないことを知る」ことが好きな方、そして自分の考えを伝えられる方だと思います。技術・プライベート問わず「自分はこれが好き」というものを持ち、技術に真摯に取り組み、主体的に動ける方と一緒に働きたいです。
※記載内容は2025年12月時点のものです
