ディフェンスネットワーク統括部に所属するTomoaki B.。将来の戦術データリンクシステム(※)における要素技術の開発プロジェクトに携わっています。入社2年目のTomoaki B.が、防衛領域での技術開発とやりがいについて語ります。
※戦術データリンクシステム:作戦行動を支援する戦術情報の伝送に用いられる通信システム
センサ開発への探求心から防衛技術開発の道へ
大学時代、私は制御工学を専攻し、研究室では新型の近接覚センサの開発に取り組んでいました。物体との距離や接触を検知できるセンサを開発し、それを活用した制御手法の研究は、まさに技術者としての原点となる経験でした。センサという隠れた小型部品が、ロボット全体の動作を左右する重要な役割を担っていることを実感し、表には見えてこなくとも確実に価値を生み出している技術に対して魅力を感じるようになりました。
就職活動を始める際、私の中には明確な軸がありました。それは防衛領域において技術開発者として従事できること、そしてその中でもセンシング・通信といった、目立ちはしないものの、安全保障を支える上で重要となる分野に携わりたいという想いでした。研究を通じて培った技術的な知見を、より大きなスケールで社会に貢献できる仕事に活かしたいと考えていたのです。
そうした中で出会ったのがNECでした。説明会を通じ、防衛領域の特に通信システムにおいて高い技術力を有しており、品質管理を徹底している企業というイメージを受けました。また、実際にお会いした社員の方々は皆温和であり、技術に対する真摯な姿勢が印象的でした。自衛隊向けの通信システム、海底ケーブル、人工衛星など幅広い領域でコア技術を保有し、それらを組み合わせたシステム提案ができる可能性を感じたことが、最終的な入社の決め手となりました。
入社後研修から始まった技術者としての歩みとギャップ体験
入社後の1か月間は、全社研修からスタートしました。社会人としてのマナーや基本的な心構えを学ぶ期間で、学生から社会人への意識転換を図る大切な時間でした。この研修を通じて、組織の一員として責任をもって働くということの意味を理解し始めたのを覚えています。
部署に配属された後は、BU(ビジネスユニット)内での技術的な研修が始まりました。業務に関連する技術領域の研修が中心となり、組み込みシステムやネットワークシステム、UNIX/Linuxといった内容について学習しました。学生時代に触れていた技術とは異なる分野も多く、毎日が新しい発見の連続でした。
入社前後で最も大きなギャップを感じたのは、業務内容についてでした。入社前は、エンジニアとして技術的な課題に向き合い、解決策を見つけることが主な仕事であるイメージを持っていました。しかし実際に働き始めてみると、技術検討はもちろんのこと、それと同じくらい、他部署やグループ会社の方との調整業務が重要であることがわかりました。技術者であっても、純粋に技術だけに集中していれば良いわけではなく、コミュニケーション能力や調整力も必要でした。このギャップに初めは多少戸惑いも感じましたが、プロジェクト全体の流れを俯瞰して考える良い機会となりました。
将来データリンクシステムで挑む技術的挑戦と成長の実感
現在、私はディフェンスネットワーク統括部の第二ネットワークシステムグループと呼ばれる部署に所属しています。この部署のミッションの1つとして、将来データリンクシステムのシステム設計が挙げられ、私自身もその要素技術に関わるプロジェクトを担当しています。入社2年目という立場で、まだ大きな成功体験と呼べるものはありませんが、日々の業務の中で成長を実感できる瞬間があります。
印象に残っているのは、納期が迫っていたプロジェクトでの出来事です。そのプロジェクトにおいて、NEC側で実施する実証試験にて試験期間の短縮が必要であり、自身でその方法について提案する機会がありました。提案の採用により、実際にプロジェクトの進行に貢献できたときは、まだ経験の浅い自分でもチームの力になれているという実感を得ることができました。
入社してから直面した困難の1つとして、扱う分野のほとんど全てが初めての領域だったことが挙げられます。学生時代に学んできた知識だけでは対応できない広い技術領域について理解する必要があり、一から全てを学び直すことになりました。この過程は確かに苦労の連続でしたが、同時に新しい知識を吸収していく楽しさも感じることができました。
学生時代と比べて成長したと感じるのは、学習に対する姿勢の変化です。以前は新しい技術を学んだ際、学んだこと自体に満足してしまうことが多かったのですが、今では学んだ技術が自身の業務にどのように活かせるかを常に考え、アイデアとしてもっておくようになりました。この視点の変化こそが、今後の業務で価値を生み出すための重要な成長だと思っています。
新しい技術創出への挑戦と、共に成長できる仲間への期待
短期的な目標として、私が力を入れて取り組みたいと考えているのは、新しい事業につながるような特許を自力で創出することです。これまでの経験を活かしながら、独自性のあるアイデアを形にしていきたいと考えています。特許創出は単なる技術的な成果ではなく、将来の事業展開の礎となる重要な取り組みだと認識しており、自分自身の技術者としての成長にも直結する挑戦だと捉えています。
中長期的には、装置の詳細設計・製造のフェーズについても経験を積むことで、実際のものづくりの工程を学びたいと思っています。設計から製造、検査までの一連の流れを理解し、経験を重ねることで、地に足がついた発言ができ、プロジェクトを引っ張れる存在になりたいと考えています。技術的な専門性および、チーム全体を見渡せる視野の広さを併せ持った技術者を目指しています。
NECの魅力は、まず幅広い領域において専門性の高い技術を有しており、「海底から宇宙まで」を体現している点です。多様な技術分野に触れられる環境は、技術者として非常に刺激的で成長できる場だと実感しています。また、立場に関わらず、自由な意見を言いやすい風通しの良さも大きな魅力です。入社間もない私でも積極的に発言でき、それを真剣に受け止めてもらえる環境があります。
NECで活躍できるのは、新しい技術を積極的に学習し、それを業務に活かそうとする積極性を持った人だと思います。技術の進歩は日進月歩であり、常に学び続ける姿勢が求められます。一緒に新しいアイデアを生み出し、技術の可能性を追求していける仲間と出会えることを楽しみにしています。
※記載内容は2025年12月時点のものです