NEC Orchestrating a brighter world
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文系からITへ―技術と業務のスペシャリストへの道。

文系からITへ―技術と業務のスペシャリストへの道。

現在業務システム系部署でERP導入プロジェクトに参画し、業務チームのリーダー補佐を担当しているShota Y.。文系学部からITの世界に入り、PMOやソリューションコンサルタントといった現場の経験を通じて見えてきた景色と今後の抱負について話を聞きました。

学生時代に培った「論理」と「伴走力」

学生時代を改めて振り返ると、今のキャリアのルーツとなった経験は2つあったように思います。1つ目はゼミで哲学の研究に取り組んだことです。抽象的な概念を整理し、筋道立てて分析するという思考様式に慣れていくに従って、論理的思考力が身に付いたように思います。2つ目は塾講師のアルバイトの経験です。生徒一人ひとりの勉強に関する悩みや課題に向き合い、学習の手助けをするという塾講師としての役割を通じて、お客様目線でプロジェクトを進める上での伴走力が身に付いたと感じています。

就職活動の時期になり、様々な選択肢がある中でIT業界を選んだ動機として、ITスキルという技術的な強みを身に付けたかったことと、顧客の課題解決に関わる仕事がしたいという理由が挙げられます。当時は悩みながら出した結論でしたが、今思えば哲学における論理的思考とITにおけるプログラミングは何となく親和性がありますし、塾講師のアルバイトとしてのミッションはSEにおける顧客課題の解決とほぼイコールと言えます。

IT業界の中でもNECは国内有数の規模であり、事業領域を非常に幅広く展開していることや、ITベンダーとしてのこれまでの実績に加えてAIや顔認証といった先端技術にも強みを持つことに魅力を感じました。そしてNECの掲げる「社会価値創造」というパーパスにも共感しました。社会の課題に向き合い解決を目指すという考え方は、今の時代特に求められているものだと思います。前置きが長くなりましたが、以上のような過程を経て、NECに入社することとなりました。

大規模PJのPMOとして学んだ新人時代

入社後の研修では、3か月ほどの期間の中でIT全般に関するインプットやSEとしてのベーススキルを身に付けるための一通りのプログラムが用意されていました。その中では、座学だけでなく新人同士でのディスカッションやプレゼン、成果物を生み出すワークショップもあり、刺激があると同時に社会人としてアウトプットを生み出す原体験にもなった気がしています。

研修期間を経て配属となったのは製造業領域のマネジメント系の部署でした。ここから一貫して製造業領域をテーマに取り組んでいくことになります。そして、アサインされたのは大規模基幹システム導入プロジェクトのPMOという役割でした。主な役割としてはプロジェクト内の進捗状況や課題状況の分析、議事録作成といった業務を担当していました。

新人の立場で大きなプロジェクトに関われるのは嬉しいことでしたが、その反面当初はSEという職種のイメージからITの技術的な業務に関わることを想像していたので、ややギャップを感じました。マネジメント系の業務は基本的にエクセルや進捗管理ツールで進めることが多いので、システム開発やプログラミングに直接触れる機会が思っていたよりも少なかったのです。

そこで、マクロやスクリプトを活用した業務効率化に自主的に取り組み、ITツールに触れる機会を意識的に増やしていきました。元々はプログラミングやITへの純粋な興味から始めた取り組みでしたが、それがきっかけで自身や周囲の業務負荷を減らすことに繋がった時には達成感がありました。また、当初はギャップに感じたPMOとしての業務も今思えば、1年目からプロジェクト全体を俯瞰して見る経験を積めたという点では貴重な経験だったと感じています。

ERP導入現場での挑戦と学び

NECの提供する製造業向けソリューション イメージ図

入社から2年ほど経ったタイミングで、マネジメント系部署から現在所属する業務システム系の部署へ異動となりました。元の部署と現在の部署は大きな括りとしては同じスマートファクトリーグループに属しており、人材育成や人材交流の観点で部署間の異動が行われています。私としても当初考えていた顧客業務の課題解決に携われることになるため、異動は希望通りでした。異動に伴い、プロジェクト全体を見るPMOから、お客様のシステム導入を業務面からリードするソリューションコンサルタントへと役割も変わることとなりました。

異動後はERP導入プロジェクトの上流フェーズにおいて業務チームのメンバーとして参画し、お客様業務を踏まえた要件定義および仕様検討をリードする役割を担当しました。しかし業務チームに参加して早々お客様会議で主担当の説明役として会議進行を務めることになり、最初のうちは苦労しました。担当範囲の説明に手一杯で、お客様からの質問に答えられず内心冷や汗をかく場面も少なくありませんでした。これまでマネジメント系の役割を担当してきたため、知識や経験が不足していたというのが原因です。しかし、経験豊富な周囲のプロジェクトメンバーの力も借りながら、学生時代の哲学の経験で培った「なぜ?」という問いをもとに業務とシステムへの理解を進めていき、入念な準備と会議後の振り返りを繰り返していく中で、会議進行や質疑応答も含めて一通りこなせるようになっていきました。

現在はプロジェクトもテストフェーズまで進み、私自身はリーダー補佐としての立場から自分で手を動かすだけでなく周囲に指示を出すことも増え、難しさを感じながらも成長を実感できています。また、その際お客様と対等な目線で伴走しながら課題解決案を提案するというスタンスを意識するようにしています。今年に入ってからは関連会社への展開プロジェクトも立ち上がり、元々のプロジェクトと並行して立ち上げ初期から参画しています。引き続き両プロジェクトの対応を進めながら、お客様業務の最適化、ひいては製造業の発展にも貢献していきたいと考えています。

技術と業務の先にある景色―トップソリューションコンサルタントを目指して

現在の私の目標として、リーダー補佐だけでなく業務リーダーの役割にもチャレンジしていきたいと考えています。仕様検討や作業の推進といったこれまでの役割から、チーム内のマネジメントや品質の統括といった管理中心の役割になるので、目線を一段上げる必要がありますが、その時にこそ1年目のPMOの経験が生きるかもしれないと感じています。プロジェクトの現場の経験を経て、全体を把握する視点の重要性にも気づけたからです。

そして中長期的には、技術も業務も分かるトップソリューションコンサルタントになることが私の目標です。そのためには、業務リーダーや仕様統括といった役割を経験した上で、技術と業務の両方のスキルをバランス良く伸ばしていく必要があると考えています。SEを志した動機となったIT技術への関心、そして配属後一貫して取り組んできた製造業の業務課題解決というテーマ、それらの要素が重なった先に、まだぼんやりとはしているもののそうした目標が見えてきています。

さて、ここまで私が歩んできたキャリアやバックグラウンドも含めてお話させていただきました。周囲の諸先輩方と比べれば私のキャリアもまだまだこれからですが、今回改めて振り返ってみて、入社からこれまでの間に自分なりに成長できているのではないかと思えました。お読みいただいている方々に参考になればと思い、僭越ながらアドバイスさせていただくと、自分の中の軸は大事にしてほしい、ということを最後にお伝えしたいと思います。私自身も、入社後環境の変化を経験しながらも、自身の軸となる要素が結果的に成長に繋がってきたと感じています。NECにはそうした皆さんの大事にする軸を尊重し、チャレンジを促す環境やフィールドが揃っているので、ITによる世の中の課題解決に興味のある方がいらっしゃれば、どなたでも歓迎します。

※記載内容は2025年12月時点のものです

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