自分らしいキャリアを考えるきっかけとなるイベント「NECキャリアデザインカフェ」。今回は過去の実施回の中から、「NECのセルフリーダーズに聞く、自分らしいキャリアデザインとは:女性リーダーズ編」と題して、NECで働く女性ディレクター2名が、これまでの道のりや自律的なキャリアを描く秘訣を語った回をレポート形式で紹介します。
自分が本当にやりたいことは何か。深く考えた末、営業から人事に転身

──本日はよろしくお願いします。まず、これまでのキャリアで大事にしてきたことを教えてください。過去にターニングポイントなどはありましたか?
Yoshiko M.:海外経済協力基金(現JICA)で働いていた新人時代を振り返ると、恥ずかしくなるぐらいダメダメでした(笑)。職場に遊びに行っている、人に会いに行っているような感じで。でも、その時に出会った人や環境が、私の最初のターニングポイントだったなと思います。周りが優秀な人たちばかりで、入社数年目で多くの人が留学するなど、学びが常態化した環境でした。
私も発展途上国の開発に貢献したいとは思っていたのですが、当時の私はその専門性もなく、英語もできない状態で。このままでは勝負できないと思い、無謀にもロンドンの大学院に留学することを決意したんです。現地で、学びを通して自分をビルドアップしていくような取り組みが始まりました。
もう一つのターニングポイントは、外資系の製薬メーカーに勤めていた時のことです。営業職だったのですが、勤務先の支店がクローズとなり、新しい仕事を探す中で「自分が本当にやりたいことは何だろう」と深く考えました。自分には何ができるのか、何が合っているのかを突き詰めた結果、人の変化を見たり応援したり、相談に乗ったりするのが好きだなと思ったんです。じゃあ人事か、と思って未経験ながら社内の人事職に応募し、運よく拾ってもらいました。決してきれいなキャリアパスではないのですが、自分に向いていることをゆっくり考え直したのが大きなターニングポイントになりましたね。
限られたリソースを育児と仕事にどう使うか。出産を機に培ったセルフリーダーシップ

──自分自身をどうリードするかという「セルフリーダーシップ」についてもお聞きします。Keikoさんは自らキャリアを築いていくために、何をしてきましたか?
Keiko Y.:私も、新人時代の経験が今に活きています。新卒でNECに入社して1、2年目の頃、課長と面談して「先輩たちがそれぞれに強みを持っている中、自分はどうしたら強みを身につけられるのでしょうか」と相談したところ、「最初は低い山でもいいから、これなら自分にもできるとか、人より得意かもしれないというものを少しずつ見つけていくことが大事だよ」と教わりました。
さらに「自分の専門性や特性が合えば、その山はどんどん高くなるし、山が一つできるとその底辺が広がっていく。その人なりの成長の仕方があるから、まずは今の仕事に誠実に向き合い、成果を出すことからめざしたらいいよ」と。その考え方は今でも大切にしています。
セルフリーダーシップという意味では、子どもが生まれたことも転機となりましたね。私は当時主任で、部下を育てる立場にもあって、限られたリソースを子育てと仕事に最大限に使うにはどうすればいいかと考えました。その結果、1日24時間の中で「今日はこれをしよう」と優先順位をつけて進めるようにしましたし、1日単位だけではなく1週間、1カ月というスパンでも考えるようになり、自分にとってすごくいいきっかけになりました。
多様なメンバーの強みを最大限に活かす。それがリーダーとしての役割

──KeikoさんとYoshikoさんはリーダーとしてチームを率いていますが、マネジメントで大事にしていることはありますか?
Keiko Y.:チームにはさまざまなキャリアを持つ人がいて、何にモチベーションを感じ、やりがいを見いだすかは人それぞれです。私の役割は、私より業務に詳しいメンバーのその強みを、社内の必要な部門、必要な人に提供できるように各方面と関係をつくることや、彼らのノウハウが社会の課題解決にどう役立つかを考えることだと思っています。
Yoshiko M.:リーダーとしてできることには限りがあり、一人では何もできません。とくに私は転職組で、社内のことに関しては私以上に詳しい人たちばかりなので、頼らないといけないし頼りたいですね。私が今のチームに来た時、メンバーにこう伝えたんです。「カラフルなポップコーンのようにそれぞれに強みやアイデアをポンポンと出していき、それをチームの知恵として、複雑な問題を解決していきたい」と。
ただ、普段のマネジメントに目を向けると失敗することもよくありますし、「あそこでちょっと言い過ぎたかな」と思うこともあります。まだ、旅路の途中ですね。
Keiko Y.:「さっきの伝え方、ああした方がよかったかな」と思うこともありますよね。そういう時、私はなるべく早くフォローするようにしています。「さっきこういう言い方をしちゃったけれど、こういう意味なんだよ」とか。
リモートワークが浸透した今、物理的に近くの人に気軽に話しかけるようなことができないので、リアルで会う時以上にコミュニケーションには気をつけようと思っています。
ワークライフバランスの整え方。育児は家族を巻き込みながら実践
──では質疑応答に移ります。1問目は「キャリアを考える第一歩として何をしたらいいでしょうか。たくさん選択肢があって混乱しています」という質問です。
Yoshiko M.:これは明確に、「自分が何にワクワクするか」をよく知ることから始めてもらうといいかなと思います。自分がワクワクすることや、自分の強みをわかっておくことで、それらを活かしてキャリアを伸ばしていくことができるので。苦手なことよりも得意なこと、好きなことをやる方が、投資効率がいいですよね。
市販されている才能・強み診断ツールを使って、自分の強みなどを探ってみてもいいかもしれません。
私の場合は、以前の会社の先輩から「聞くのが上手だね」と言われ、自分は人の話を聞くことが好きなんだと気づきました。それが今のHRビジネスパートナーの仕事などにつながっています。

──次は「ワークライフバランスをどう整えていますか?とくに仕事と育児のバランスのとり方について教えてください」という質問です。Keikoさん、いかがですか?
Keiko Y.:私が出産と育児を経験したのは当社にスーパーフレックス制度が導入される前なので、時短勤務制度を活用していました。今、大学生の娘もそうですし、中学生の息子も小学校低学年まで使いましたね。産休・育休については、娘は1年、息子は半年ほど取得しました。
仕事柄、イベント対応やプロモーションを担当していたので事前にスケジュールが立てやすく、出張の際には私の親に子どもの世話をしてもらったり、同じくNECで働いている夫に早めに帰ってもらったりと、家族を巻き込んで子育てをしました。
今でこそリモートワークは一般的ですが、当時は育児や介護といった理由があり、かつ仕事上の問題がないと上司が認める場合のみ実施できるという状況でした。私の場合、娘が小学校に入学して間もない頃、私が家にいないことを嫌がってくずった時期があり、上司に相談した上で月に数日リモートワークをさせてもらっていました。あの頃はまだ限られたケースでしたね。当時の経験が、今のリモートワークにおいてもコミュニケーションなどの面で役に立っています。
また、今の一つ前の職場では部下の男性が育休を取得し、パートナーの方と手分けしながら育児をしていました。どうしても残業が必要になればもう一人が育児を担うなど、夫婦間で相談しながらやっていましたよ。
キャリアは何度でも選び直せて、失敗が成功につながることも。恐れずに挑戦を
──「リーダーの経験がなく、考え方や勉強方法など教えてください」という質問もいただいています。Keikoさん、何かアドバイスあればお願いします。
Keiko Y.:私自身は若い頃、チームのみんなで協力しないと前に進まないような仕事を数多く経験してきたことが、今のマネジメントの基礎になっていると思っています。
その際、役割分担をきっちりしすぎると、何かが抜け落ちた時に各メンバーが「ここから先は私の仕事ではありません」と線引きをしちゃって、チームとしていい成果が出なかったりするんですよね。
ここで大切なのはコミュニケーションです。現状の課題や最終的な目標、期日などをメンバーと共有しながら進めていく経験は、今のマネジメントにおいても、メンバーが成果を上げるためにどういう動き方をしたらいいかを考える基礎になっています。
リーダーとしての考え方や勉強法で言えば、会社が提供してくれるリーダーシップ研修やコミュニケーション研修に積極的に参加し、年上部下との接し方などを学びました。あとは普段、判断に迷った際に尊敬する上司を思い浮かべ「こういう時、あの人ならどうするかな」と考えることもありますね。
──ありがとうございます。 次にYoshikoさん、NECに転職した理由や、人事として改革を進めるにあたって感じている雰囲気などを聞かせてください。
Yoshiko M.:NECに転職した理由の一つは、NECの人事が変革を積極的に進めようとしていて、それがおもしろそうだと感じたからです。日本の伝統ある企業が新しい姿をめざしてすごいスピード感で動いているらしいよと聞き、大きなチャレンジができそうだと思いました。
もう一つの理由は、「NECはいい人が多いよ」と入社前に聞いたことです。それは実際に入社してみて、あらためてそうだなと実感しています。コラボラティブな人が多くて、一つのことを協力して実現していこうよという雰囲気にあふれているんですね。私自身、そういった環境で働きたい気持ちが強かったので、入社してよかったと思っているところです。
──では最後に、NECに興味を持ってくださっている皆さんにメッセージをお願いします。
Yoshiko M.:皆さんがこの先、NECに応募してくださったらもちろんうれしいですが、NECでなかったとしてもこれをきっかけにキャリアについて深く考え、いい選択をしていただけるとうれしいなと思っています。その選択は一度ではなく何度でも選べるし、もし失敗したと思ったことがあっても、長い目で見るといい方向につながっていくかもしれません。
後々、点と点がつながって線になったりもするので、恐れずに挑戦していただけるといいのではないかと。皆さんがよいキャリアを築いていかれることをお祈りしています。
Keiko Y.:ダイバーシティという点においても、最近は社内の環境、空気感が向上してきているなと思います。私のグループにはキャリア採用の人が3人いて、うち1人は地方在住です。リモートでごく自然にコミュニケーションをとりながら一緒に仕事をし、不都合や違和感なく成果を出してくれています。
これから社内でいろいろなことにチャレンジしたり、仕事以外のことにも価値を感じたりすることがあると思いますが、今のNECなら、そのバランスをうまくとりながら働くという可能性を見いだせるんじゃないかと感じています。今日のお話が、皆さんにとってキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。
NECでは、年間約600名がキャリア入社しています。働く場所や時間を自分でデザインできる環境、伸ばしたいスキルを学べる研修など、皆さまが思い描くキャリアをサポートできる体制を整えています。まずはぜひ、キャリア採用情報をご確認ください。