NEC Orchestrating a brighter world
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HRとして変革と成長を続けるNECの熱源になる――女性リーダーが牽引する組織と人事の大変革

大平 衣莉

HRコンサルティング統括部
グローバルイノベーションビジネスユニットグループ
ディレクター

大平 衣莉

丸山 佳子

グローバルHRビジネスパートナー統括部
クロスインダストリービジネスユニットグループ
ディレクター

丸山 佳子

※2023年7月公開。所属・役職名等は取材当時のものです。

通信やITに強みを持つ総合電機メーカーとして、海底ケーブルから宇宙への研究開発まで幅広い事業展開によって社会インフラを支えるNEC。近年は社会や産業のDXをけん引するなど、絶えず事業成長を続けています。その成長の下支えとなっているのが、2018年より始まった組織と人事制度の大変革です。なぜ変革に挑むのか、どのように実現したのか、そして進化したNECで働く魅力とは何か、HRの2人の女性リーダーに伺いました。

NECが本気で取り組む組織変革を、HR領域から牽引する

──NECでは2018年より大規模な組織変革、人事制度変革が行われてきたそうですが、その背景や目的についてお聞かせください。

丸山当社は、2018年に変革プロジェクト「Project RISE」を立ち上げ、強靭で柔軟な企業文化を再構築し、力強く成長し続けるNECの実現を目指してきました。この背景には、世の中が激しく変化するなかで持続的可能な事業を展開するにはビジネスモデルそのものや組織のあり方、人事制度などをアップデートしなければならない、という経営層の考えがあります。

私がNECにキャリア入社した2020年はすでにその変革の真っ只中にあったのですが、経営層が変革に本気で取り組んでいるんだと実感した体験がありました。

例えば、当時のCHROが、キャリア入社した者とのラウンドテーブルミーティングを頻繁に設け、「NECの組織に違和感や変えるべき点を見つけたら教えてほしい」と熱心にヒアリングをしていました。厳しい指摘にもCHROが熱心に耳を傾けている姿を見て、「これほど『外から見たNEC』を知りたがっているということは、『選ばれる会社』を本気で目指しているのだろう」と感じたものです。

こうしてさまざまな声を集めるのと同時に、実際の組織変革にも着手しました。その代表的な事例の一つに、2022年度から始まった「RISE Fast」があります。これは、各組織の若手社員が組織内の課題を見つけて自ら課題解決を行うというもので、各部門長がその活動を全面的にサポートするというのが特徴です。2022年度は、40以上の部門でシステムの統合や承認ステップの簡略化など、200テーマの課題解決を実践しました。組織の課題を内側から変革するというのは非常に効果的で、特に若手社員がその変革を主導し、組織文化の創り手になっていくプロセスを見て、私はNECのこれからに大きな可能性を感じました。

そのほかにも、社員が目指すべき行動基準をわかりやすく伝える「Code of Values」の策定、社内公募制度「NEC Growth Careers」の定着化、働き方改革「Smart Work」、そしてジョブ型人材マネジメントの導入など、さまざまな取り組みを進めてきました。

──現在のHR組織の概要についてお聞かせください。

丸山当社のHR体制は、外資系企業でもよく見られるHRオペレーションモデルが採用されています。組織は大きく3つにわけられ、ビジネス上の人事課題を解決していくビジネスHR、高い専門性でHRをサポートするCoE(センターオブエクセレンス)、そしてHRオペレーションがあります。ビジネスHRは2023年度より、戦略的人事課題解決を担うHRBPと、人事の変革をしっかり組織に浸透させていく役割を担うHRコンサルティングの2つに分化しました。この組織体制でビジネスを強力に支援するHRとなることを目指しています。

私たちが目指すのは、NECが選ばれる組織になることです。現在当社で働いている社員はもちろん、転職先を探している方々にも選んでいただくためには、魅力ある会社でなければなりません。それを実現するため、中期経営計画では社員のエンゲージメントスコアにおいても高い目標を掲げています。

ビジネスパートナーとして変革過渡期の組織を支える

──丸山さんは2020年にNECにキャリア入社されていますが、ご経歴と転職の経緯について教えてください。

丸山私は新卒で政府系金融機関に入社し、その後留学などを経て外資系製薬企業に入社しました。このとき人事としてのキャリアをスタートさせ、19年にわたり人材開発やHRBP、タレントマネジメントやグローバルのHRプロジェクトなどに携わりました。

転職のきっかけは、すべてのセグメントのHRBPを担当するなど、自分が携われるほぼすべての領域を経験できたという達成感です。同時に、次のキャリアでは日本企業で日本のために働きたいという思いもあったところ、人事組織変革の真っただ中にあるNECに出会い、自分の経験を生かせると確信し、入社を決めました。

──これまで手掛けた仕事のなかで、特に印象的だったものについてお聞かせください。

丸山印象的なものばかりですが、NECで手掛けたものの中から一つ挙げるとすれば、2022年度に実施したアップワードフィードバックに関する取り組みです。

上司や同僚からのフィードバックは社員の成長にとても役に立つものですが、比較的同質性の高い組織の中では、さまざまなことが行間に入ったままでも通じ合ってきたことも影響してか、NECではフィードバックの量が少ないと感じていました。一方、今後多様な人材が活躍する組織に変化しようとするNECにおいて、考えたことや感じたことをオープンに伝えあうことができる環境をより広げていきたい、またそれによって組織が大きく成長できるという確信がありました。エンゲージメントサーベイでも、フィードバックに伸びしろがあることがわかっていました。

そこで、HRBPとしてサポートしているクロスインダストリービジネスユニットにおいて、すべてのピープルディレクターが、自身のマネジメントに関する部下からのフィードバックを受ける取り組みを実施しました。ディレクター本人は結果をレポートとして受け取るだけではなく、HRBPと1時間ずつ1on1の機会を設け、フィードバックレポートを一緒に読み解いていきました。

ディレクターは自身の行動やマネジメントスタイルを見直すきっかけとなり、メンバーたちもフィードバックする立場を経験して新たな気付きがあり、そして私たちHRBPはディレクター一人一人の人となりや抱えている悩みをよく理解する機会となり、それぞれに多くの学びがありました。今後もこの取り組みは続けていきたいと考えています。

日本の社会と未来にインパクトを与え得る、大きな変革の担い手に

──今、NECに入社する魅力は、どんなところにあると思いますか。

丸山ジョブ型人材マネジメントを中心とした人事・組織変革に必要なアイテムを投入するという観点では、最終フェーズを迎えています。ただ、この効果が出るのはこれからです。新しい制度や仕組みを根付かせ、新しい組織文化を生み出し、変革を結実させるまでには、まだ長い道のりが続きます。

NECという日本における伝統的かつ大規模な企業の変革にかかわることは、HRプロフェッショナルとしてのキャリアにも大きな価値をもたらすと思います。「当社の変革が成し遂げられれば、ハーバードのケースに取り上げられるかもしれないよ」と半ば本気でHRのメンバーに発破をかけています。それくらいNECの変革が日本社会にもたらすインパクトも大きいと思いながら業務にあたっています。

日本の未来を形作る大変革の担い手になれる非常に貴重なチャンスです。熱意ある皆さまのご応募をお待ちしています。

新しい施策を部門に浸透させ、現場からビジネスの伸長を加速する

──大平さんのご経歴と、NECに転職された理由を教えてください。

大平前職は大手電機会社で、給与計算のオペレーション、人事制度やパフォーマンスマネジメントの改定、役員人事やHRBPなどを経験しました。新しい環境を求めて転職活動を始めたのですが、その際の軸は「ビジネスへの貢献ができるHRとして仕事に携われること」でした。

さまざまな企業を検討するなかで、最終的にNECを選んだ理由は、当時紹介されたポジションが事業開発部門のHRBPで事業創発のサポートができる立場であったこと、そしてNECが組織と人事の変革に真剣に取り組んでいたことです。そして2020年に当社にキャリア入社しました。

──どのような業務を担当されていますか。

大平HR施策の組織内展開と浸透を担うHRコンサルティング統括部のメンバーとして、グローバルイノベーションビジネスユニットグループのディレクターを務めています。また、CoEなど他のHRチームと連携して行う人事制度改革や組織開発プロジェクトなども進めています。

私はもともとHRBPとして入社したのですが、「HRBPとしての役割に集中できているか」「新しく施行された制度をどうすれば部門に浸透できるのか」など、いくつか課題を感じるようになり、2023年に新設されたHRコンサルティング統括部に自ら手をあげ異動しました。HRコンサルティング統括部の主なミッションが各ユニットに人事制度や施策を浸透させることにあり、まさに私が課題を感じていた業務領域だったからです。

──現在、HRコンサルティング統括部はどういったテーマに注力していますか。

大平HRコンサルティング統括部がサポートするのは、主に各部門のディレクター層です。これまで、HRBPによる部門長・統括部長に対するサポートはあったものの、現場のディレクターに対するケアが不足していたと考えています。その充実化が現在注力しているテーマであり、具体的にはパフォーマンスマネジメントの徹底と支援、人事異動発生時のスムーズなオペレーションのサポートなどです。

当社ではさまざまな制度や施策がスピーディーに投入される半面、最初は十分にシステム化がされていなかったり、制度に対してビジネス観点のフィードバックが反映されていなかったりすることもあります。そうした障壁や課題をディレクターに寄り添いながら一つ一つ解決し、より効率的かつ効果的な運用を目指しています。

なお、HRコンサルティング統括部では、プロジェクトを解決すべき時期に応じて3つに分け立ち上げ活動をしています。短期視点は目の前の課題を解決するもの、中期視点は1年を区切りに組織の在り方などを考えるもの、そして長期視点は中期経営計画の末日までに何を成し遂げるのかを描くものです。私は短期と長期のプロジェクトに参画し、統括部内のディレクターと呼ばれる各グループのリーダーと連携しながら、取り組むべき施策の企画、整理を行っています。

HR領域は変革の真っ只中。求められる、変化への対応力

──大平さんが仕事を通して感じるやりがい、醍醐味を教えてください。

大平私たちHRは、常に「いかにしてビジネスに貢献するか」を考えています。だからこそ、私たちの活動を通してビジネス側とうまく連携し、チームとしてよりよいパフォーマンスを出せたり、事業に必要なメンバーを集められたりしたときは、大きなやりがいを感じます。

また、前職で給与計算にかかわるシステム移行や制度改定を行った経験が、今の人事制度のプロセス改革に生かせている点も充実感につながっています。プロセス改革とシステム導入・移行は切り離せず、「新しい仕組みを導入することで何が起きるのか」「新しい施策・システムをどう広めていけばいいのか」といった知見などが役立つからです。

──さまざまな施策を実施されたなかで、特に印象に残っているエピソードをお聞かせください。

大平私がHRBPを担当していたころのエピソードですが、あるディレクターに対してコーチのような役割で伴走したことが印象に残っています。そのディレクターはプレーヤーとして大きな実績を持ちディレクターに昇進した人で、ついプレーヤーとして動きたくなってしまうなど、人と組織の成長のための課題をいくつか抱えていました。

そこでまず、マネジメントの役割とは何かを、社内のアセスメントや研修ツールを使いながらお伝えしました。その後は実際のケースをもとに、「どのようにメンバーを育成していくべきか」を一緒に議論するなどしました。現在そのディレクターは組織内に小さいチームをつくり、各チームリーダーに権限を委譲するなどメンバーに任せる覚悟ができたのに加え、メンバーの育成にも積極的に取り組んでいます。ディレクターの行動変容や成長に貢献できたと感じ、とてもうれしかったです。

柔軟な働き方がかない、仕事の成果が正当に評価される職場

──NECならではの働く環境面の魅力があれば教えてください。

丸山当社では「Smart Work」という働き方改革が進められています。産休育休制度や時短勤務制度が整備されているのはもちろんのこと、リモートワーク制度など、多様な働き方ができる環境が整っています。ライフイベントや家庭の事情にとらわれることなく、自分らしく働き続けられるのはNECの魅力です。

また、人事評価制度では「フラットであること」を重視しています。特徴的なのは、直属の上司だけではなく、さらに上位レイヤーの上司、横の部署の上司など、複数の視点で評価がなされる仕組みです。社員の対する評価が適切かを複数人で議論する場を設けるなど、例えば性別や勤務体系などによって不当な評価やバイアスがかかった評価がなされないよう、細心の注意を払っています。

──最後に、記事をご覧の方へメッセージをお願いします。

丸山NECは今、大きな変革の真っ只中にいます。HR組織もまた、さまざまなテーマで変革が進んでおり、新しい制度やアイテムが次々と投入されています。私たちは、これらを全社に浸透させなければなりません。もちろん計画通りに進まないこともありますし、地道な努力が求められることも多く、常に変化への対応力が求められます。

大平私たちは日々、「HRとしてビジネスにどう貢献するか」をテーマに業務にあたっています。HR領域の知見を持った方はもちろん大歓迎ですが、「ビジネス領域でキャリアを積むなかでHRに興味をもった」「マネジメントを経験するなかでHRの知見を深掘りしたいと思った」といった方も歓迎します。多様な経験とスキルを持つ、向上心あふれる方々と一緒に働けることを楽しみにしています。

※本記事は、ビズリーチに掲載した記事の転載です。

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