「社会」という幅広い分野で、
人の生活を豊かにする仕事がしたい。
大学時代に夢中になったことは、海外旅行。アルバイトでお金が貯まると、異国の地へ渡って自分の知らない文化に触れる。4年生の最後は「挑戦しよう」と、ヨーロッパ11カ国を巡る一人旅も経験しました。旅行中は、宿泊先を探すアプリを活用して、現地の人の家にホームステイ。いろいろな国の文化や価値観に触れることで、想像力や共感力が養われたことは、図らずも今の仕事につながっています。
就職活動では、もともとITやPCに興味を持っていたので、そこが入口になりました。自宅のPCがNEC製だったことからNECについて調べたり、他にも知っているメーカーのサイトを見たり。そうした中で、NECにとってPCは事業の一部で、他にも幅広い分野で事業を展開していることを知り、興味が広がりました。決め手になったのは、「社会価値創造」というビジョンへの共感。単にモノを売るよりも、人の生活を豊かにするような仕事をしたいと思い、入社を決めました。
入社後は、ネットワークビジネスユニットに配属され、パブリック向けにローカル5Gの活用方法を企画し、事業を立ち上げる部署を1年経験。2年目から、組織改編があり、現在の部署になりましたが、業務内容は変わらず、ローカル5Gを活用した事業の創出に取り組んでいます。
農業人口の減少から、観光地の活性化まで。
地域の課題をローカル5Gで解決。
具体的な仕事の流れとしては、まず各自治体にその地域の抱えている課題をヒアリングするところからスタートします。その課題に対して、ローカル5Gを活用した解決方法を考案。NECだけの技術にとらわれず、ローカル5Gと親和性の高いアプリや技術を持つ企業と共創してサービスを企画します。そして、自治体と複数の企業とコンソーシアム(共同事業体)を組んで、総務省が公募する「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に参加。企画が通れば、実証実験の実施、レポートの作成まで担当します。この2年間で、実際に実証実験を行った事例を2つ紹介します。
一つは、山梨県で取り組んだ、「スマートグラスを活用した熟練農業者技術の『見える化』の実現」。山梨県には、たくさんのシャインマスカット農園があります。一方で、少子高齢化によって人手不足や技術の継承ができないという課題がありました。そこで、ローカル5Gとスマートグラス/AI画像解析技術を使い、収穫のころ合いになったシャインマスカットを自動的に表示してくれるソリューションを開発しました。ローカル5Gを活用して、新規就農者でも効率的な収穫を可能にした事例です。
もう一つは、奈良県で取り組んだ「新たな観光体験の実現」。奈良県では、平城宮跡を起点として、観光の活性化を図りたいというニーズがありました。また、魅力的な観光スポットがあるものの、点在しているために観光客が回遊してくれないという課題もありました。そこで、ローカル5GとMR(※)技術を活用した新しい歴史文化体験を提案。平城宮跡のステージで演劇を行い、それをMRグラスで観るとCG演出が写し出されたり、観光客一人ひとりの位置や移動に合わせて、それぞれに異なる映像を表示させたり。ローカル5GとMRを通じて、これまでにない観光体験を実現しました。
※MR:Mixed Reality(ミックスド・リアリティ)の略。現実世界のすべてに、仮想のものや情報を重ね合わせ、表示をさせる技術。
NECの技術と社会のニーズを繋げて
さらなる可能性を。
NECでは、保守的だった文化を変えようという動きが年々強まっていることもあり、若手にチャレンジの場を与えてくれる機会が増えています。特に私の部署は、新しい価値を創造することを生業としているので、1年目から「北村さんならどうする?」と意見を求められたり、その意見をそのまま採用してもらったりすることもよくあります。自分の企画したアイデアがお客さまに評価され、実証実験でカタチになる。この刺激的な機会には、やりがいを感じますし、何より成長の機会になると思っています。
経験が浅い分、先入観に囚われず大胆な発想ができることや、お客さまや世間の人たちがどういう未来を望んでいるのかを汲み取る共感力は自分の強み。一方で、技術的な会話についていけない部分もあり、社内外のエンジニアにうまく自分の考えを説明できないことも。そこで、弱みを補強すべく、3年目からは志願して、技術面から事業を開発するグループへ異動させてもらいました。今まさに、技術的な知識をイチから勉強中です。
入社からローカル5Gに携わってきて、教育や医療など、もっといろいろな分野に展開できると感じています。でも、ローカル5Gをどう使えば、何が実現できるのかイメージできている人は、まだまだ少ない。だからこそ、お客さまに寄り添い、共感力を働かせながら、潜在的なニーズを拾い上げていきたい。そして、NECの持っている高い技術力と、社会の課題やニーズをマッチさせて、「こんなことができるんだ!?」と驚くような未来をつくっていきたいです。