NEC Orchestrating a brighter world
NEC Orchestrating a brighter world

世の中の役に立つ研究開発がしたい。人を見つめる研究者。

赤松 祐亮

研究職
グローバルイノベーションビジネスユニット
バイオメトリクス研究所

赤松 祐亮

大学では情報系の学部にて人の脳データを利用した生体信号解析の研究に取り組む。自身の研究を実際の製品やサービスとして使ってもらいたいという思いからNECを志望し、入社。入社から2年で3本の論文が採択されるなど、研究者としてのキャリアを着実に歩む中で、実際に人の役に立つ研究開発を目指している。

※2023年4月公開。所属・役職名等は取材当時のものです。

研究を研究で終わらせない。
人々に役立つことがしたい。

大学では情報系の学部で人の脳データを利用した生体信号解析の研究に取り組んでいました。修士も含めた研究活動の中で8本の論文が採択され、論文を書くことが好きだったこともあり、そのまま博士課程に進むか就職するか悩みました。しかし将来、自身の研究成果が実際に製品やサービスとして人々の生活に利用され役立つことこそが自分が研究を続ける意義だと感じ、それができる企業を探して就職活動を行いました。就職活動の説明会でNECの人事の方にお会いした際、NECには顔認証を始めとした生体データを扱う専門のバイオメトリクス研究所があり、そこでは今の自分の研究をそのまま活かすことができると知りました。更に、NECはトップの国際会議で論文を発表していることも多く、研究者としてもキャリアを積める環境が整っているため、自分にピッタリだと思ったことから志望しました。

自身の特技を生かして研究を進める中で
NECの知見は武器になる。

実際に入社してみてNECの研究所では、研究計画からデータ収集、研究、評価、開発など様々なフェーズがあり、多くの人がそれぞれの得意分野を生かして仕事をしていると感じました。研究所には若い方も多く、風通しが良く活発に意見を交わすことができ、お互いを高め合うことのできる環境で研究を行うことができていると感じます。

入社1年目は顔映像からバイタル情報を推定する技術開発に取り組みました。NECが得意とする顔認証をベースに、人の顔データをヘルスケアや医療系に横展開をしていく研究でした。ここで心拍数と酸素飽和度を推定する技術をつくり、その論文が難関国際会議に採択されました。

現在はバイタルに加えて、体内に水が溜まる現象である「浮腫」を推定する技術開発に取り組んでいます。これは大学との共同研究で、体内の水分を自分で除去することが難しい透析患者の顔画像から、透析前後に生じる浮腫を推定する技術です。この研究もプレスリリースとして研究成果が社外に公開され、開発した技術に関する論文が、難関国際論文誌に採択されました。この2年間で行ってきた顔データを利用した研究は、簡便かつ遠隔から人の健康状態を推定することができるため、ポテンシャルのある研究分野だと考えています。顔認証のような社内に知見のある分野をベースに自分の研究を進めることができるのはNECならではのやりがいだと感じています。

人々に役立つ研究という、
真のゴールを目指して。

研究をして開発した技術は、それが実際にサービスとなって利用していただくことが目標だと考えています。しかし、現状はそこに至るまでに時間がかかっていることが課題です。自社の既存の技術を武器に新たな技術を開発するシーズベースでの研究と、顧客のニーズから新たな技術を開発するニーズベースでの開発がある中で、シーズベースだけでは難しさを感じています。ニーズベースで研究を進めていくためにも、事業部とより連携しながら、研究者側からもユーザーが何を求めているのかを探求し、複数の視点でアプローチをしていく必要があると考えています。自分自身も事業化を経験された方にヒアリングを重ね、様々な意見を聞いて、事業化に向けてのニーズを見つけていきたいです。

「極める」だけじゃない。
自分の得意を人のために。

今後は、研究者としてキャリアアップするために、博士号の取得を目指したいと考えています。自身の強みである論文では、さらにレベルの高い国際会議で論文発表をできるようになりたいです。

さらにこうした研究者としての成長だけではなく、入社前から思っていた、自身の研究成果を技術や製品・サービスとして様々な人に役立つもの繋げていくのが目標です。研究データを取らせていただく中で、現場の医療従事者から、興味がある、早く使いたいというお言葉もいただきます。自分の研究が、そういった方々に実際に役に立つ瞬間をこの目で見ることが、今のモチベーションになっています。

My favorite CoV

一番大切にしているのは、「視線は外向き、未来を見通すように」という価値観。
研究開発においてきちんとしたアウトプットを出すためには、たくさんのインプットをする必要があります。特にAI分野はかなりのスピードで進展しているため、常に視線を外に向けて、最新技術を取り込む事が重要です。また、未来を見通しながら将来どのような技術が必要になるかを想像して、作り上げていくことが大切だと感じています。

CoV:「Code of Values」。NECグループ共通の一人ひとりの価値観・ふるまいを示した行動基準

CAREER STEP

2021

顔映像からのバイタル推定技術開発

顔認証技術の医療・ヘルスケア分野への応用に携わり、顔画像からバイタル情報(心拍数・酸素飽和度)を推定する技術開発に取り組みました。開発した技術に関する論文が難関国際会議に採択されました。

2022

顔画像からの浮腫推定技術開発

バイタル推定に引き続き、顔から浮腫(むくみ)を推定する技術開発に取り組みました。大学との共同研究で、透析患者の顔画像を取得し、透析前後に生じる浮腫の有無を推定可能となりました。研究成果はプレスリリースとして社外に公開されました。また、開発した技術に関する論文が難関国際論文誌・会議に1件ずつ採択されました。

Q&A

Q

現在のお仕事内容の概要

A

人の顔から生体情報・健康状態を推測する技術の研究開発に取り組んでいます。現在、活発に研究が行われている分野であり、大学病院の先生などと連携を取りながら研究開発を進めています。

Q

現在のお仕事のやりがい

A

NECの世界一の顔認証技術をベースとして、医療・ヘルスケア領域に向けた新しい技術を作っていくところです。顔からの生体情報推定はまだまだ未開拓な分野であるため、やるべき事がたくさんあり、やりがいを感じます。

Q

現在のお仕事の成功体験

A

顔画像からの浮腫推定が世界初の技術としてプレスリリースされたことです。
顔映像から浮腫の度合いを推定する世界初の技術を開発
また、入社してからの2年間で論文を3本発表しており、研究者としてのキャリアを積めていると感じます。

Q

現在のお仕事の難しい点

A

未開拓な分野である分、技術として成熟させるのが難しいです。また、実際に人に使ってもらえるところまで技術を事業化するハードルが高いと感じます。

1日のスケジュール

9:30

プログラミング

午前中はテレワーク。昨晩に走らせておいたプログラムの実験結果を確認し、新しい実験用のスクリプトを作成します。

12:00

昼食

出社途中にささっと昼食を食べます。短時間で食べれるうどんや油そばなどが多いです。

13:00

研究チームで打ち合わせ

午後から出社し、チーム内で研究進捗の打ち合わせを行います。議論することで新しいアイデアが浮かぶことが多いです。

15:00

開発メンバーと打ち合わせ

試作中の技術デモについて、開発メンバーと打ち合わせを行います。

17:00

共同研究先との打ち合わせ

進めている研究について、共同研究先の大学と議論を行います。医者視点から技術について評価して頂き、技術強化ポイントを探ります。

19:00

退社

日中に走らせておいた実験結果を確認し、新しい実験用のスクリプトを実行し、退社します。

private

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体を動かすことが好きなので、休日はスノーボードやフットサルをしています。特に、スノーボードは、大学時代に北海道に住んでいたということもあり、関東に来てからも学生時代からの友達と夜中にかけてドライブしながらスキー場に行くことが多いです。サッカーはするのも観るのも好きなので、フットサルをしたり、好きなJリーグのチームの試合をスタジアムまで観に行ったりしています。

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