NEC Orchestrating a brighter world
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再入社で見えた変化や魅力。NECだからできる、社会的インパクトの大きな事業開発を

続 艶傑

続 艶傑

新卒で日本電気株式会社(以下、NEC)へ入社し、海外営業や経営管理などを経験した続 艶傑。世界的な外資系企業に転職した後、2023年9月に再びNECで働く道を選びました。前職の知見を活かし、現在は生成AIを活用したプロジェクトで活躍する続が、外に出たからこそ実感するNECの変化や魅力を語ります。

産休・育休を機に見つめ直したキャリア。外資系企業への転職を経て、再び選んだNEC

私は2012年に国際文化研究科の修士課程を卒業した後、NECへ入社しました。中国出身の私にとって、日本のイメージとして強かったのがIT産業です。その中でも海外事業の拡大に取り組み、女性にもグローバルな活躍の機会が広がっていることに魅力を感じたため、NECを選びました。

また働く人の価値観が自分にマッチしていたことも入社を決めた大きな理由です。複数名のOB・OGを訪問した際、お客様のために最善を尽くし、社会に貢献しようとする姿勢が全社に浸透していると思いました。

入社して最初の2年は、APACや中国地域におけるハードウェアの営業を担当。その後、自ら異動を志願し、以前から興味があった北米事業の営業を務めました。そこからさらに職種を変更して、事業部全体の戦略立案や経営管理を担当するなど、幅広い業務を経験することができました。

その中で転職を考えたのは、産休・育休を取得したことがきっかけです。復職後、1年のブランクを経て周囲を見渡した時、身近にグローバルに活躍するワーキングマザーのロールモデルはあまりいませんでした。

そして尊敬していた女性先輩社員のグローバルなキャリアパスを見てみると、より柔軟な働き方や多様な環境下で働ける外資系企業に転職するケースが多かったのです。そこで私もより柔軟な環境とスケールが大きい仕事を求め、NECを退職して実力試しに高成長の外資系企業で働くことにしました。

転職先では、エンタープライズ部門の立ち上げ期に戦略マネージャーとして参画。執行役員の補佐役として中長期戦略の策定や事業運営に携わりました。1人で何役もこなさなければならず多忙を極めましたが、決定までのスピード感や仕事の進め方など、NECとは異なる環境の中で新たな知見を培うことができました。

そうした中で次第に芽生えていったのが、新たに身につけたイノベーションの手法やマインドを活かし、自分で何かをつくり上げたいという想いです。それが実現できる場所として、真っ先に浮かんだのがNECでした。転職後も昔の仲間とは連絡を取り合っていたため、再入社に対する抵抗は感じなかったですね。当時とは違い変革の最中にあるNECで、外の世界を経験した私ならではの価値を発揮したい。そう考えて再入社を決意しました。

ビジネスも組織文化も大きく変化。再入社して女性が今まで以上に活躍できる環境を実感

NECを離れたのは約2年半でしたが、その間にこれほど変わるのかと再入社して驚きました。私にとってとくに印象的だったのは、プロモーションや製品のセールス手法がより戦略的になっていたことです。以前は卓越した技術力やすばらしい製品を有しながらも、顧客にアプローチする時機を逃すなど、価値を十分に訴求できていないのではないかという想いがありました。

しかし現在は、「BluStellar」のリリースを筆頭に、時代の変化に応じてタイミング良くスピーディーに製品が展開されているのを感じます。また、森田社長兼CEOをはじめとする経営陣の強いリーダーシップのもと、海外企業とのリレーション構築も積極的に推進され、グローバルスタンダードシフトが加速している点も印象的です。

ビジネスの在り方だけでなく、組織文化も大きく変化しています。当時は部門間の壁が高く、伝統的な日本企業としての印象がありました。しかし今は組織がフラットになり、1on1ミーティングといった新たな制度が取り入れられるなど、人事制度や働く環境も充実化されています。

中でも個人的にインパクトが大きかったのは、女性の活躍を支援する体制が今まで以上に整備されたことです。スーパーフレックス制度で柔軟な働き方が可能になったほか、個人の希望に合わせて福利厚生を選べるカフェテリアプランの導入により育児への支援も広がりました。こうした制度が実際に役立てられている証拠に、育児休職後の復帰率は2023年度で99.6%と高い数字を誇っています。制度の進化はもちろんのこと、社員の意識が確実に変化しているように思います。

特筆すべきは、ただ復帰して働き続けられるということではなく、出産後も自分が思い描くキャリアをあきらめる必要がないということです。一般的に「マミートラック」と呼ばれるような、育児中の女性社員がキャリア形成を阻害されることはなく、NECでは女性の登用や昇進を積極的に推進しています。グローバルに活躍するワーキングマザーのロールモデルはまだそれほど多くはありませんが、自分が頑張ってつくり上げれば良いと以前より強く思えるようになりました。

また出張に関しても、本人の意思が尊重され、子育て中という理由で機会を制限されることはありません。私もNECに再入社してから、国内だけでなく海外へと出張する機会が得られました。私のような考え方の社員もいれば、もちろん子どもがまだ小さいから配慮してほしいという社員もいます。そのため最終的な判断は本人に委ねるという会社の姿勢は、女性の多様な働き方を実現する上で大きく寄与していると感じます。

再入社から約半年でプロトタイプを完成。生成AI技術を活用した事業開発を推進

2023年9月にNECへ再入社し、私が最初に担当した業務はメタバース領域の事業探索でした。顧客からの依頼をきっかけに調査を進める中で、BtoBtoCでの可能性に着目。そしてNECでビジネス展開できるソリューションを追求した結果、たどりついたのがAIカスタマーサービスアバターというテーマです。

前職の会社では、BtoCビジネスを世界中で展開していました。その中で培ったお客様起点の発想を活かし、BtoBに強いNECに風穴を開ける新たな価値を創出したい。そうした想いで、NEC独自のAI接客サービスを検討しました。

NECは早期に生成AI「cotomi」をローンチしており、AIの多様な技術資産やノウハウを保有しています。それらを最大限に活用するとともに、NECが誇る世界トップクラスの顔認証技術とも親和性が高いAIカスタマーサービスアバターの実現をめざしています。

プロジェクトを推進する上では多くの課題にぶつかりました。中でも苦労したのが、ステークホルダーに自分がめざす世界観について納得してもらうことです。将来を見据えた事業開発の価値訴求や、投資申請のための同意取得など、まだ社内プロセスが把握しきれていない中で対応するのは容易ではありませんでした。

それでも先輩や同僚に助言をもらいながら、説得材料を用意することで乗り越えられました。約200人規模のアンケート調査やインタビューを実施して顧客ニーズを分析し、自分が立てた仮説が正しいことを証明していきました。さらに国内だけでなくグローバルな市場環境も調査し、マクロとミクロの観点から日本での成長可能性を提示して上層部の説得にあたりました。

そして事業開発プロセスの審査を通過し、入社から約半年という短期間でプロトタイプが完成。2024年3月に国内最大の流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN」に出展し、リード獲得数は全体の2位という成果を収めることができました。

この成果は、組織を横断して多くの部門と連携したからこそ実現できたと感じています。プロジェクトを進めるにあたっては、展示会の運営も含めて一人で何役もこなしたことで、マネジメントスキルの向上につながりました。

今回のプロジェクトのように、高度な独自技術や専門人材など、NECならではのアセットを活かした仕事ができることに大きなやりがいを感じています。とくに事業開発は、自らがオーナーシップを持ってドライブしていく必要があるため、個人事業主のような感覚で取り組めることが醍醐味です。年齢や性別に関係なく、社会的インパクトの大きな仕事ができることが、NECの魅力だと感じています。

スピード感と外向きの視線を大切に。変革の最前線に立ち、新たなチャレンジを

今後については、まず現在取り組んでいるAIカスタマーサービスアバターのプロジェクトを確実に軌道に乗せることが目標です。それが実現できたら、新たなテーマの探索や別の職種へのチャレンジも検討したいと考えています。

これまでのキャリアを振り返ると、私は常に最先端のテクノロジーに携わってきました。前職でもクラウドサービスの急成長期に新規セグメントの立ち上げを経験し、現在は勢いを増す生成AIの事業開発を手がけています。

私にとって生成AIの魅力は、可能性が無限に広がっていることです。専門業務の自動化・効率化を実現するプロダクトの開発や、ビジネスに発展する新たなユースケースの考案など、さまざまなアプローチが展開できます。それができるのは、国内の生成AI分野をリードする企業として多様な業種での活用事例があり、優れた技術者がいるNECだからこそです。

しかし、目標の達成に向けては課題も感じています。全社的に業務や意思決定のスピードアップをめざしていますが、グローバル企業としてのスピード感を実現するには、社内プロセスの改善や意識改革をさらに進めなければなりません。

また、自分が所属する部門にとどまらず、NECとして何ができるかを考える外向きの視線も重要です。そこで全社最適の観点から、今年度より自ら声をかけ、BUの他部門と連携して「NEC Personal Consultant」プロジェクトを推進しています。まずは自分が見本になれるよう、One NECとしてスピードアップやNECならではの価値創出に取り組んでいきたいと思います。

そのためにも注力したいのが、多くの人を巻き込む力を向上すること、そして社外ネットワークを強化することです。自分の得意分野やテーマを確立し、関連するコミュニティに参加するなど、主体的な行動を通じて知見を広げていきたいと考えています。

変革が進み、新たな基盤が整えられたNECは今、チャレンジしたい人にとってこれまでにない理想の環境です。この環境を最大限に活かせるよう、自分の可能性を制限せずに大きな夢を持って挑戦してほしいと思います。意見やアイデアを積極的に発信すれば、必ず誰かが耳を傾けてくれます。若い方はもちろん、私のように一度外の世界を経験した方や、多様なキャリアを歩んできた方が、新たな仲間として参加してくださるのを期待しています。

※ 記載内容は2024年11月時点のものです

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