恐れず、変えていくことで生まれた
11億円のプロジェクト。
私はSEとしてお客様への提案から、開発、そして納品までの幅広い役割を担っています。このスタイルを確立したのは、入社後すぐのこと。NECの仕事の進め方に違和感を抱いたのがきっかけです。当社の仕事はストックビジネスが中心。ただ、競争が激しい現在では、依頼を待っているだけでは戦えなくなっています。「守るだけでなく仕掛けていけばいいのに」。そう考えていた時に、自分で提案をして設計から納品までを行う、私が理想とする仕事をしている先輩がいることを知りました。そしてその先輩の高速道路関係のプロジェクトに希望を出して異動を志願。そこで仕事を生み出していくノウハウを学びました。2016年に、政府が「ソサエティ5.0(※1)」を提唱し、大きなビジネスチャンスが生まれました。お客様がITを活用してインフラ管理と業務改善を行い、安心、安全な高速道路を目指していくという動きをキャッチし、提案を仕掛けました。最初はプロポーザル方式でした。しかし、半年通い続けた熱意と提案内容を評価していただけたことで2億円を受注。2017年、入社4年目の仕事でした。その後、2年間で11億円を超えるプロジェクトに成長しています。
(※1)ソサエティ5.0/IoTやビッグデータを活用し経済発展と、社会課題解決を目指すもの。
会社や組織に頼るのではない。
今できることは、とにかく自分の力をつけること。
入社以来、会社が変わろうとしていることは感じています。一方で打ち出された施策は、どう具体的に進めるのか不明瞭。施策の効果をどう定量的に見ていくとのかいう視点がなく、これでは経営状況がなかなか改善しないのではないかと思っていました。NECのような大きな組織となると経営のビジョンは、どうしても抽象的になります。ビジョンをもとに、一人ひとりの社員がどう行動すべきなのか。そのブレイクダウンを、経営と中間のマネジメント層がもっと議論をすべきだと思います。組織の具体的な目標や施策が見えないままの状況に将来の不安がありました。しかし、今できることは一つ。「NECの稲葉」ではなく、会社の看板がはずれても「ただの稲葉」としてビジネスを広げていける力をつけること。2年間で11億円の受注はNEC全体の売上からするとわずか0.2%。しかし、私にとっては自信に繋がる大きな数字になりました。
チャレンジを歓迎する声。
社内稟議のスピードアップ。
NECが変わりはじめている。
直近の目標は、2年間でゼロから作りあげた11億円のプロジェクトを、40名のメンバーと一緒に無事に完遂することです。お客様の業務効率化を実現し、事業が拡大することで、私たちのビジネスチャンスもまた広がっていきます。社内の変化として感じるのは、挑戦を応援しようという雰囲気が広がってきていること。以前は前例がないチャレンジには躊躇する空気がありましたが、「リスクを恐れず挑戦していこう」という発言が多くなっています。私は部門のマネジャーが出席する中期経営計画の会議に参加し、議論に加わっています。まだ役職もない私に大きなプロジェクトを任せてくれることや、実績をつくっていれば社歴に関係なく重要な会議に参加させてもらえることは、変化の現れだと思います。また社内向けの資料作成時間は半分以下に削減。稟議の時間も短くなり、入社当時と比べると、受注までの時間が半分に短縮され、仕事の効率化はかなり向上しています。
身近な場所から変えていくことで、
全体に変化を生み出したい。
いまお客様が抱えているITの課題に対しては、最適なソリューションを提供できていると思っていますが、今後は、社会の課題に踏み込んだ提案をしていきたい。例えば、高速道路会社のお客様なら、高速道路の維持管理コストを削減することで、使用料金やサービスエリアの料金を安くしたり、渋滞や事故を減らしたりできるようなソリューションを提案できると面白いなと思います。大きな会社を変えるのは難しいですが、大切なのは、一人ひとりが自分の領域で変化を生み出すこと。実際に私の部署では、自分から発信をして行動することが、組織の変化につながります。上司も物事の変化に対して柔軟に受けとめ、アドバイスをしてくれたり、人材を探してくれたりと非常に協力的です。NECで働き続けているのは、変えていくことが面白いから。変えることで、自分自身も成長できるし、その効果により社内外の方々に喜ばれることが働くモチベーションになっています。