2022年に日本電気株式会社(以下、NEC)へキャリア入社した荒井 澄人。銀行や公共システムの開発などでチームリーダーを務めた経験を活かし、現在は航空自衛隊向けネットワークシステムの設計・構築に携わっています。日本の空の安全と平和を守る業務のやりがい、NECだからできる挑戦について語ります。
IT領域にとどまらず幅広い専門知識を習得。防衛省向けのシステムに携わる重責を感じて
NECのエアロスペース・ナショナルセキュリティビジネスユニットでは、航空宇宙および国家安全保障領域に関わるICTソリューションを提供しています。その中でナショナルセキュリティ事業部門は、国防に資する幅広いソリューションを提供しており、私が所属しているディフェンスソリューション統括部では、主に防衛省向けのシステム開発に取り組んでいます。
具体的には、航空自衛隊向けのネットワークシステムの提案から設計・導入までを行うのが私の業務です。各フェーズにおけるチームリーダーとして、社内外の調整を行いながらプロジェクトを推進しています。
ネットワークシステムは、領空侵犯やミサイルを検知するレーダーなどに使用されており、日本の空の安全と平和を守る重責を担っています。その運用には高度な専門知識が必要となるため、現在も社内のサポートを受けながら新たな知識を習得し続けています。
その点においてNECの教育体制はとても充実しており、業務に必要な資格取得や年齢層に応じた研修プログラムを受講することが可能です。研修を通じて普段の業務では関わる機会の少ない他部署のメンバーとも交流でき、視野が広がるのを感じています。
資格に関しては、今後ネットワーク設備の導入に必要な工事に携わる場合に備え、建築物の取り扱いに必要な資格を取得しました。チームの中には、1カ月の半分ほど出張で全国を飛び回っているメンバーもいるので、私も将来的にはそうした機会が増えると考えています。IT領域以外にも、電源やケーブルといったファシリティなど幅広い知識が求められるので、常に新しい学びを得られることが大きな刺激となっています。
入社2年目を迎え、まだ経験が浅い部分がありながらも、自分の意見やアイデアを発言する機会が増えてきました。その中で意識しているのは、自分の考えが正しいと言い切れるようになるまで整理してから話すことです。将来的に担当領域や責任範囲を広げていくためにも、自分の考えに自信を持ち、発言できる力が必要だと考えています。最初から人の意見に頼るのではなく、まず自分で考え抜くこと。その上で、他者の意見をきちんと受け入れる柔軟性を大切にしています。
顧客と直接折衝し、成長できる機会を求めて。プライムメーカーであるNECへ転職
前職はITサービス企業に勤務し、主にお客様先に常駐してシステム開発を行っていました。入社から最初の5年間は銀行システムのインフラ部分の設計や構築に携わり、チームリーダーを経験。その後、新しい分野にチャレンジしたいという想いから航空業界のシステム開発を担当する部署に異動し、パブリッククラウドの構築などに従事しました。
転職を考えたきっかけは、30歳という節目を迎え自身のキャリアを見つめ直したことです。前職は請負としての業務だったため、お客様と直接やり取りをする機会がありませんでした。ここからステップアップを図るには、環境を変えるしかない。そう考え、転職活動を始めたところ、タイミングよく出会えたのがNECです。プライムメーカーの立場で防衛システムの開発に携わることができれば、顧客との折衝範囲や業務領域が大きく広がると考え、入社を決めました。
NECへ入社して最初に感じたのは、プロフェッショナルとしての意識の高さです。日本の防衛を担う一員としての責任を常に持ち、明快な発言や行動を取っていることが印象的でした。また、業務に関連する厳格な法律やルールの数々を、チーム一体となって遵守する組織力の強さも感じました。
私はまず、進行中のプロジェクトに参画し、お客様との打ち合わせに参加させてもらいながら新たな知識を習得していきました。私にとって、ネットワークシステムの開発を担当するのはNECが初めてです。そのため不明点があれば自分で調べるのはもちろん、過去の設計書を読み込んだり、周囲に積極的に質問したりと、懸命に知識を吸収していきました。
さらに自発的に取り組んだのが、検証環境で実際に試すことです。社内だけでなく協力会社の方々にも「わからないから教えてほしい」と声をかけ、貪欲にスキルを磨いていきました。
技術的な面では周囲に頼ることが多かった中で、前職での経験が活かせたのはコミュニケーションスキルです。私は20代半ばからチームリーダーとして経験を積み、自分より年配のメンバーとも関係を構築してきました。そのためキャリア入社であることや年齢を気にせず、誰に対してもフラットな態度で接することができるという自分の強みが、プロジェクトを推進する上で役に立っていると感じます。
チームリーダーとしてシステムの連携を推進。難易度の高い挑戦の先にあるやりがい
私にとって新たな挑戦となっているのが、現在取り組んでいる領空侵犯やミサイルの検知に関するネットワークシステムの開発プロジェクトです。ミッションは、私が担当しているインフラ部分と、別の部署が担当している検知システムを連携させること。それぞれの開発には多くのメンバーが携わっており、私はチームリーダーとして関係各所との調整を図っています。
プロジェクトを推進するにあたり、私が注力していることが2つあります。1つは、社内での緊密なコミュニケーションです。検知システム側と私たちとでは、折衝するお客様も開発の進め方も異なります。そのためお互いの方針について理解し、双方の相違点に対して柔軟に対応できるようコミュニケーションを重ねています。
もう1つは、お客様への丁寧な説明です。システムの連携を図るにあたり、検知システム側のお客様にも、私が担当しているインフラ部分の開発内容を理解していただく必要があります。現在どういう作業を行っていて、次の展開をどう考えているのか。詳細な資料を用意し、一つずつ段階を踏みながら説明することを心がけています。
システムの垣根を超え、多数の関係者と協力しなければならない難易度の高いプロジェクトですが、その分国防に携わるやりがいを感じます。私の仕事は、実際にシステムが役に立っている様子を確認できることも魅力の一つです。たとえばミサイルが発射されたことを検知し、警報が発せられたとき。自分たちが開発したシステムが日本の安全保障に貢献したという誇りとともに、責任の重さをあらためて実感します。
また、常に新しい知識や未知の分野に触れられることも大きな働きがいです。携わる範囲がとても広く、絶えず成長し続けられることがモチベーションにつながっています。学ぶべきことが多いという大変さもありますが、知識を培うほどにキャリアの可能性が広がっていくのを感じます。
NECだからできる挑戦がある。成長を促す環境を活かし、さらなるステップアップを
キャリア入社して感じるNECの魅力は、グローバル企業として幅広い事業を展開していることです。その中でも防衛領域の最前線に立ち、安全保障に資する重要なシステムの開発に携われるのは、NECならではだと感じています。
また、コミュニケーションが取りやすい職場環境もNECの魅力です。私が所属しているグループは拠点が2つに分かれていますが、情報収集など何か協力を依頼したいことがあれば気軽に相談ができます。業務に関することはもちろん、社内の手続きなどについても、組織を横断して気軽に情報交換できるオープンな雰囲気があります。
働き方についても柔軟性があり、一人ひとりが生産性を発揮できるワークスタイルを選ぶことが可能です。個々の裁量に任せる風土があるため、フレックスタイムを利用して朝に打ち合わせがない日は普段より遅めに出社するなど、ルール内で自分に合った働き方が実現できています。
こうした環境を活かし、今後も継続的に技術者としてスキルアップを図っていきたいです。現在は主任の立場でチームをまとめていますが、将来的にはマネージャーとしてさらに大規模なプロジェクトを管理し、メンバーや取引先から信頼される存在をめざしたいと考えています。そのためにも、リーダーシップやチームマネジメントのスキルをさらに磨いていかなければなりません。
社内にはさまざまなタイプのロールモデルがいるので、専門的な技術や卓越した管理能力など、個々の長所を学び取りながら、自分のスキルとして蓄えていきたいです。最近では予算管理の知見を磨くため、関連する会議に自主的に参加するようにしています。
NECは学びの機会が開かれており、事前に伝えれば興味のある会議への参加を許可してもらえます。マネージャーになるにはまだまだ足りていないスキルが多いので、自ら学ぶチャンスを見つけて知見を培っていきたいです。
私がNECへ入社して約2年が経ちましたが、その間にも一定数のキャリア採用がありました。優秀な人材を確保することは私たちのビジネスユニットにおいても重要な課題であり、防衛に興味がある方に対してNECは大きく扉を開いています。
防衛業務はミサイルなどの有事に関わるため不安を感じる方もいるかもしれませんが、エンジニアとしてお客様が求める高品質なシステムを開発することに何も変わりはありません。私のように未経験であっても、最前線で活躍できる環境が整っているので、社会的意義のある仕事にぜひ挑戦してほしいと思います。
※ 記載内容は2024年10月時点のものです