新卒で入社したSoma O.。すぐに医療言語処理のコンペティションにアサインされ、圧倒的な差で優勝を達成。現在は病院DXおよび消防DXを推進するプロジェクトで医療言語処理に携わっています。「プライベートでも研究の話で盛り上がってしまうくらい研究が好き」と話すSoma O.が、研究者としての成長と挑戦を語ります。
研究への情熱と出会いが導いた就職活動の軌跡
学生時代、私は研究活動に全力で取り組んでいました。大学での研究はもちろんのこと、他社での長期研究開発インターンにも参加し、実際の企業での研究開発がどのようなものかを肌で感じる貴重な経験を積むことができました。この経験を通じて、研究という分野の奥深さと面白さを改めて実感し、将来も研究に携わっていきたいという思いが一層強くなっていきました。
就職活動を始める際、私の軸は明確でした。「面白そうな研究ができるところ」、そして「研究者としての成長も見込めそうなところ」。この二つの条件を満たす企業を探すことが、私にとって最も重要なポイントでした。単に安定した職場を求めるのではなく、自分の知的好奇心を満たし、さらなる成長を遂げられる環境を求めていたのです。
NECに対する最初の印象は、「しっかり者や真面目な方が多い会社」というものでした。研究開発を重視する企業らしい、堅実で信頼できる雰囲気を感じていました。しかし、実際に選考過程を通じてNECと接するうちに、その印象はより具体的で魅力的なものへと変化していくことになります。
最終的にNECへの入社を決めた理由は複数ありました。まず、面接を通じて「面白そうな研究ができそうだ」と確信できたこと。そして何より印象的だったのは、現在の上司となるディレクターの方との面談でした。その方の人柄の良さと、私に対する親身な対応に深く惹かれました。また、武蔵小杉という勤務地の立地の良さも、日々の勤務後の楽しみ(飲食店めぐり)を考える上で魅力的なポイントでした。さらに、医療向けの研究開発に携わる尊敬する父の存在も、無意識のうちに私の背中を押していたのかもしれません。これらの要素が重なり合い、この会社で自分の研究者人生を歩んでいこうという決意を固めることができたのです。
社会人の第一歩から国際舞台へ:想像を超えた成長の軌跡

入社してすぐに受けた研修では、名刺の渡し方といった基本的な社会人マナーから学びました。正直なところ、入社前はもっと堅苦しい環境を想像していて、毎日ジャケットを着てフォーマルな服装で過ごさなければならないのかと思っていました。しかし実際に働き始めてみると、思ったよりもカジュアルな職場環境で、その点では良い意味でのギャップを感じました。また、研修で知り合った同期たちとは想像以上に深い絆を築くことができ、プライベートでも付き合える仲になりました。
入社後の配属では、すぐに医療言語処理のコンペティション対応のチームにアサインされることになりました。自然言語処理未経験かつ新卒という不安はありましたが、この挑戦は、自身の会社選択が間違っていなかったと確信する機会となりました。チームメンバとの議論をもとに、学生時代に培った経験や知識を総動員した結果、なんと優勝することができたのです。この成果は会社としても大きな注目を集め、プレスリリースまで発表されるという、入社間もない私にとっては夢のような出来事でした。
さらに驚くべきことに、この過程で得られた研究成果が国際的にも評価され、コペンハーゲンで開催された医工学分野において世界最大級の国際学会での口頭発表の機会をいただくことができました。入社してからわずかな期間で、このような国際的な舞台に立てるとは思っておらず、会社が若手社員にも大きなチャンスを与えてくれる環境であることを実感しました。これらの経験を通じて、技術力だけでなく、プレゼンテーション能力や国際的な視野も大きく広がったと感じています。
医療言語処理での挑戦と国際的な成果への道のり

現在、私は病院DXおよび消防DXを推進するプロジェクトで、医療言語処理の分野に携わっています。この領域は医療現場のデジタル変革において重要な役割を果たしており、私自身もチームの一員として120%の成果を出すことを常に意識して取り組んでいます。医療データの自然言語処理は技術的な難易度が高く、医学知識と最新のAI技術の両方を理解する必要がある挑戦的な分野です。
入社後最も印象に残っているのは、国際学会への論文がアクセプトされ、さらにコンペティションで優勝という成果を収めることができたことです。この経験は私にとって大きな自信となり、自分の研究が国際的に評価されたという実感を得ることができました。論文の執筆から投稿まで、多くの時間と労力を注ぎ込んだ結果が形になった瞬間は、これまでの努力が報われた思いでした。
一方で、学会発表の際に自分の英語力の不足を痛感する場面もありました。研究内容自体は評価されているものの、それを英語で適切に伝える力が十分ではないことを実感し、国際的な舞台で活躍するためにはまだまだ成長が必要だと感じました。この経験は悔しさもありましたが、同時に今後の成長への大きなモチベーションとなっています。
学生時代と比較すると、特に責任感の面で大きく成長したと実感しています。例えば、社内の報告資料の作成時には、関係者が正確に内容を理解できるよう、より丁寧に分かりやすさや正確性を意識してまとめるようになりました。それは、資料一つひとつが業務の意思決定につながることを強く意識するようになったためです。また、医療という人の命に関わる分野で働いているという意識が、日々の業務に対する責任感をより一層強くしています。
研究への情熱と未来への挑戦、そして仲間への想い

短期的な目標として、私はトップカンファレンスでの論文採択と博士号の取得を掲げています。これらは研究者として次のステージに進むための重要なマイルストーンだと考えています。トップカンファレンスでの発表は、自分の研究が世界レベルで認められることを意味しますし、博士号の取得は、研究所の中でも、勤務しながら社会人として博士号を取得し、第一線で活躍している方々のように、私自身の研究者としての信頼性や専門性をより高めてくれるはずです。
中長期的には、自分が研究している分野で第一人者になることを目指しています。これは決して簡単な道のりではありませんが、NECの多様な事業展開が私にとって大きなアドバンテージになっていると感じています。さまざまな分野にわたる事業を展開しているからこそ、研究対象が幅広く、研究テーマが尽きることがありません。また、いろいろな人からいろいろな角度の話を聞けることで、自分の研究に新たな視点を取り入れることができるのです。
学生の皆さんにお伝えしたいのは、NECで活躍できるのは好奇心旺盛な人、そして自分で問題点を探して解決手段を自力で考えることが苦ではない人だということです。研究という仕事は、常に新しい課題と向き合い、創造的な解決策を見つけ出すことの連続です。そのプロセスを楽しめる人であれば、きっとNECで充実したキャリアを築けるでしょう。
最後に、今後ジョインしてもらいたいのは、プライベートでも同僚と研究の話をしてしまうくらい研究が好きな人です。研究への情熱を共有できる仲間と一緒に働けることほど、研究者にとって幸せなことはありません。そんな熱い想いを持った方々と、未来を創造していきたいと思っています。
※記載内容は2025年12月時点のものです