中央省庁や全国の自治体向けに、大規模な行政サービスを支えるインフラを実現する日本電気株式会社(NEC)のパブリックMCシステム開発統括部。日本国民の暮らしを支える、社会的意義の大きなシステムに携わる責任の大きさとやりがいについて、同部門で活躍するAtsushi S.、Daichi U.、Kaho T.の3人が語ります。
ステークホルダーとの信頼関係を大切に。全国規模の行政の仕組みをつくる大規模プロジェクトを牽引

社会を支える行政の仕組みを、高度なSI技術力で最適に実現するパブリックMCシステム開発統括部。4つのグループで構成されている同統括部で、3人はそれぞれの役割を担っています。
Atsushi S.:私は第二グループに所属し、行政機関間を連携するアプリケーションの開発と運用・保守のプロジェクトマネージャーを担当しています。全国の地方公共団体向けにサービスを提供し、ヘルプデスクの運営や問い合わせ対応も含めた総括を行うのが私の業務です。プロジェクト全体では数百名のメンバーがおり、マルチベンダーによる体制をNECがまとめています。
Daichi U.:私は第一グループに所属しています。昨年までは行政機関が利用するマイナンバー関連の基盤のシステム開発を担当しており、30~40名が関わる更改プロジェクトにおいて管理業務やベンダーとの調整を行っていました。
現在は、関連システムの提案活動に取り組んでいます。システムをさらに良いものにするために、現状の課題整理と対応案を検討し、お客様への提案を進めています。
Kaho T.:私は第四グループに所属し、全国規模で展開する公営の販売管理システムの開発に携わっています。販売データの登録から集計結果の処理、収益の配分計算・管理までを担うシステムです。集計処理は毎週決められた時間に行われるため、システムの可用性が重要であり、高い性能が求められます。
開発期間は2〜3年と長期にわたり、国内外を合わせて100名以上のメンバーが関わる大規模なプロジェクトです。その中で私はプロジェクト管理を担当しています。
業務での直接的な関わりはないものの、3人は統括部内の横断活動などを通じ、グループを越えて交流する機会が多くあります。
Kaho T.:統括部内で横のつながりをつくるため、横断活動の1つとして、部署を超えて先輩社員に相談できる座談会を企画・実施しました。若手社員からの評判も良く、今でも継続的に行われ、若手社員に受け継がれています。
ほかにも社員の活動やキャリアなどを紹介する企画を立てたり、統括部内の誰もが参加できるチャットを運営したりと、コミュニケーションの活性化を図っています。
Daichi U.:コロナ禍ではフルリモートがメインだったため、ちょっとした雑談ができる機会が減っていました。今は私も含めて出社とリモートワークをバランス良く活用している人が多く、横断活動で企画するイベントなどを通じ、対面でもオンラインでもコミュニケーションを取りやすい環境が整備されているのを感じます。
Atsushi S.:私たちの統括部は4つのグループから構成されていますが、同じ事業ドメインで活動するメンバー間の横のつながりはとても重要です。お互いに質問しやすい職場環境であることで、もともと統括部全体にある助け合いの精神がさらに醸成されているのを感じます。
横のつながりを大切に、切磋琢磨している3人。国民の暮らしに関わる重要なシステムに携わる中で、それぞれが大切にしていることがあります。
Daichi U.:社会的意義の大きいシステムを担当しているため、一切の妥協を許さず、品質を追求することを大切にしています。また、開発はマルチベンダー体制で進めることから、信頼関係を構築することも重要です。
その中で私は、自ら率先して助けることを意識しています。すると相手も助けてくれるようになり、その積み重ねでだんだんと信頼関係が築かれていくのを実体験として感じています。
Atsushi S.:私が大切にしているのは、品質とスピード感です。私たちは稼働を止めることのできないミッションクリティカルなシステムを開発し、全国の地方公共団体向けに共通サービスを提供しています。何か問題が起きた際には、迅速な対応が欠かせません。
またDaichi U.さんが言うとおり、ステークホルダーとの信頼関係も大事です。共にプロジェクトを遂行するメンバーやお客様、その先にいる地方公共団体の利用者を常に意識し、信頼関係の構築・維持に努めています。
Kaho T.:システムの品質を確保するためには、プロジェクト管理チームと開発チームが連携し、開発やテストの状況を正確に共有してもらうことが大切だと考えています。
そのためには、プロジェクトメンバーと信頼関係を築くことも重要です。まず心理的安全性を高めることが大事だと考え、さまざまな情報が入ってきやすいように私自身も常に話しかけやすい雰囲気づくりを心がけています。テレワークなどで直接会話することができない場合もありますので、チャットを活用し、迅速なコミュケーションが図られるよう心がけています。
「人」が決め手となり、NECへ入社。志を同じくする仲間と共に、成長できる喜び

歩んできたキャリアが異なる3人。共通しているのは、NECへ入社した決め手が「人柄」だったということでした。
Atsushi S.:面接で感じたのが、人としての温かさや信頼感です。それを体現するような公共性の高い事業内容にも魅力を感じ、2004年にNECグループへ入社しました。
入社して最初に担当したのは、新聞社向けのパッケージ開発やSIです。そこで約10年経験を積んだ後、より多くの人々に貢献できる仕事に携わりたいという想いから、社内の公募制度を利用して現在の部署へ異動しました。
Daichi U.:私は学生の頃から社会を支えるシステム開発に携わりたいという想いがありました。それが実現できる企業は他にもありましたが、就職活動中に出会ったリクルーターの方々の誠実さや穏やかな雰囲気に惹かれ、NECを選びました。
入社後は、マルチベンダー体制のプロジェクトにおいて開発経験を2年積み、その後マイナンバーに関連するシステムの保守に従事。システム改修や障害対応などを経て、プロジェクトのリーダーとして業務を遂行し、今に至ります。
Kaho T.:私は学生時代、小学校の先生を支援するボランティア活動をしていました。その中で痛感したのは、教育現場におけるIT化の遅れです。社会をより良く変えるにはIT化が欠かせないと考えていたため、公共分野に強いIT企業を志望しました。
最終的にNECを選んだのは、自由度の高い社風と、自主性を尊重してくれるリクルーターの方々の対応が決め手です。入社後は、公共事業の電子入札システムをはじめさまざまな規模の案件を担当。製造やテスト、プロジェクト管理など幅広い経験を積みました。
入社当時に感じたNEC社員の人柄の印象は、今も変わらないと口をそろえる3人。信頼できる仲間と共に働く中で、やりがいを感じています。
Atsushi S.:社会的意義のある大規模システムの開発は、多くの関係者と関わり調整する難しさもありますが、関係者で協力して困難を乗り越えていくことにやりがいを感じています。統括部のメンバーは皆、社会のインフラを支えるという共通の使命感を持っています。同じ志を持つ仲間と共に、一丸となって働ける環境も魅力の一つです。
また若手が挑戦できる風土があるだけでなく、成長をしっかりと支援する体制があると感じます。
Daichi U.:マイナンバーを利活用した行政の仕組みは今後ますます用途が広がる見通しです。それを支える重要なシステムの開発に携われることに、大きな責任とやりがいを感じています。
社会的意義の大きなシステムだからこそ、メンバーは皆やる気に満ちていて、それぞれの分野におけるプロフェッショナルが集まっています。そうしたメンバーの高度な知見やノウハウを吸収しながら成長できることも、モチベーションにつながっています。
Kaho T.:現在担当している、全国規模で展開する公営の販売管理システムを通じて得られる収益は、公共事業などに有効活用されており、人々の暮らしの貢献につながることがやりがいの一つです。
また、自分が描きたいキャリアを伝えれば、それをかなえるために上司や先輩からサポートしてもらえることも働きがいにつながっています。入社した当時、「なんでもできる人になりたい」という漠然とした希望を上司に伝えたところ、幅広い案件にアサインしながら適性を見極めてくれました。
定期的に1on1を実施するなど、キャリアについて本気で向き合ってくれる環境があることが、成長の原動力となっています。
マルチベンダー体制のもとで求められる柔軟な対応力。コミュニケーションを大切に

これまでパブリックMCシステム開発統括部でさまざまなプロジェクトを手がけてきた3人。Atsushiは、マイナンバーを活用した行政機関間のシステムを手がけた経験が印象深いと話します。
Atsushi S.:法制度に基づいたサービスインの期日に向け、システムの開発に取り組みました。新たな行政サービスの立ち上げであり、ステークホルダーが非常に多く、運用方法の確立など調整を図るのは困難を極めました。
とくに大変だったのは、システム全体の品質の見極めです。新たな行政サービスのため、準備作業や確認が必要な項目が多くありました。安定したサービスの提供ができるのか──プロジェクトメンバーや社外のステークホルダーと確認・調整を重ね、一つずつお客様と整合を取りながら進めました
関連システムとの仕様調整が必要となった局面で難しい判断を迫られることもありました。時間とリソースがひっ迫し緊張感が高まる中、メンバーと力を合わせて課題を乗り越えました。無事にサービスインできた経験は、自分を大きく成長させたと感じます。
Daichiは、マイナンバーの基盤に関するプロジェクトを担当した経験が印象に残っていると話します。
Daichi U.:私はマイナンバー基盤に関する新たな機能追加のプロジェクトにおいて、リーダーを務めました。リスク分析を実施したところ、利用する製品について、機能面のリスクは限定的であった一方で、性能面のリスクがあることがわかりました。性能検証を行うにあたり、検証環境や確認観点についてメンバーで検討したものの、専門的な知見が必要だと判断し、製品部門を巻き込んでプロジェクトを遂行することにしました。
リスク解消に向けて関係者をまとめていくのは大変でしたが、プロジェクト実行前のリスクの洗い出しと、効果的な対策・計画的な実行の重要性を再認識しました。
Kahoは、新たな気づきが得られた2つの経験について話します。
Kaho T.:1つめは、複数のベンダーが関わる案件を担当した際、複雑なプロジェクト体制の中で対応方法が難しい課題に直面したことです。私自身が課題解決チームの先頭に立ち、各社との対話を重ね解決に導くことができました。
その経験を通じて気づいたのは、個々の責任や果たすべき役割を明確にして認識を合わせることにより、問題が解決し成果物の品質も高められるということです。それ以降はメンバー間で不安が生まれないよう、密にコミュニケーションを取るようになりました。
2つめは、大規模プロジェクトでの経験です。それまでは小規模な案件を担当することが多かったため、「走りながら考える」スキルを活かしていました。しかし大規模プロジェクトの場合、1つの判断が及ぼす影響の大きさは計り知れません。そこで現在は、行動する前に影響や効果を予測できるように、上位者のマネージャーの下で新たなスキルの習得に励んでいます。
チームワークで社会インフラを実現する。一人ひとりのやりがいも重視し、より強い組織へ

ミッションクリティカルなシステムの開発を通じ、社会に貢献するパブリックMCシステム開発統括部。重要な使命と向き合う中で、今後3人が描いている目標があります。
Atsushi S.:私はプロジェクトマネージャーとして全体を統括する一方で、ピープルマネージャーとして部下の育成にも携わっています。これまでは事業の拡大を重視してきましたが、今後はより良い組織環境づくりにも貢献していくことが目標です。一人ひとりのやりがいを大切に、チームだけでなく部門や全社的な視点を持ち、個と組織が共に成長していくためのサポートができればと考えています。
そのためにも、主体的に「やりたい」と手を挙げた人に挑戦の機会を与えることが大切です。個々のキャリアや特性に応じてサポートできる体制をさらに充実化させていきたいと思います。そうして個のやりがいがさらに高まれば、結果としてお客様へのより良いサービスにつながっていくと考えています。
Daichi U.:私はこれまで、プロジェクトマネージャーの下でアサインされた業務を遂行してきました。将来的には私自身がプロジェクトマネージャーとして、社会を支えるシステムのあるべき姿や将来像をデザインし、それを実現するためのプロジェクト体制の構築やお客様への提案も含めて、一から事業創造ができるようになりたいと考えています。
また、エンジニアとして技術動向をキャッチアップすることが重要です。たとえば、現在はオンプレミスからクラウドへの移行が行政領域でも進んでいるので、クラウド技術に関する知識のアップデートをし続けることが欠かせません。技術動向はもちろん社会の動向にもアンテナを張り、次の時代に求められるシステムを提案できるようになりたいと考えています。
Kaho T.:現状は判断に迷うときは上司に助言をもらうこともありますが、自分自身で方向付けができるように経験を積み重ねていきたいと思います。これまでの私は、たとえば組織に穴が空いたり欠けたりした部分を見つけると、自分がパテとなって補修するような活動をしてきました。
しかし今後は一時的な措置にとどまらず、そもそも穴が開かない強い組織をつくれるようになりたいと考えています。具体的には後進の育成や、メンバーのモチベーション向上などを通じ、組織力全体の底上げができるように貢献していきたいと思います。
未来を見つめ、新たな挑戦を続けていく3人。自分たちと同じ志を持ち、これからパブリックMCシステム開発統括部で働くことになる仲間へメッセージを送ります。
Atsushi S.:私たちは国・地方公共団体に対して社会インフラを提供するという重要な使命を担っています。そのため高い志を持ち、社会貢献にやりがいを感じられる人材が理想的です。当部署は横のつながりが強く、助け合う風土が根付いているので、安心してチャレンジでき、自身のめざすキャリアが描ける職場だと思います。
常にスピード感と品質が求められる環境ですが、仕事と誠実に向き合える方と働けるのを楽しみにしています。
Daichi U.:私たちのプロジェクトは規模が大きく、役割の異なる多くのメンバーと関わることになります。そのような中で適切なコミュニケーションを取りながら業務を進めていくことが重要と考えています。いろいろな人と関わるのが好きで、コミュニケーションを楽しめる方なら、活躍できる環境だと思います。
Kaho T.:私が一緒に働きたいと思うのは、つながる力の大切さを知っている方です。人と人がつながれば、足し算ではなくかけ算のシナジーが生まれるので、コミュニケーションコストをいとわず、チームワークを大事にできる方が向いていると感じます。
また技術の変化は速いので、自ら進んで学べる方なら、同じ姿勢を持つ仲間たちと楽しく成長し続けられると思います。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです