NEC Orchestrating a brighter world
NEC Orchestrating a brighter world

航空宇宙・防衛領域に貢献するやりがい。「融合と打破」で品質向上と効率化をめざす。

転職を経て、NECで3年目を迎えたHiroki K.。コンピュータ支援設計システム(CAD)の使用環境構築と機能の充実を通して、航空宇宙・防衛領域の開発基盤の強化を進めています。所属部門が掲げるビジョンは「融合と打破」。未来を切り開こうとNECに飛び込んだ技術者が、めざす道を語ります。

CADを通した開発基盤強化がミッション。改善に向け、人工衛星の設計者にも積極提案。

私は今、ANS(エアロスペース・ナショナルセキュリティ)サプライチェーン統括部の技術情報・共通技術グループで、主任を務めています。航空宇宙・防衛領域の大型事業の一端を担っており、回路設計CADの使用環境構築と機能の充実を通した開発基盤の強化がミッションです。40人が所属する同グループのうち、私たちは4人でチームを組んで日々活動しています。

ハードウェア製品の開発は回路設計から始まります。ここでミスがあったまま後工程に進み、最後に製品を検証した時に判明してしまうと、大幅な後戻りを余儀なくされ、時間も費用もかかります。そのため、CADにさまざまな機能を組み込むことによって設計段階ですべてのミスを抽出し、次の段階に移ってもスムーズに進められるようにしています。

また、機器間をつなぐケーブルを束ねた「ハーネス」の接続設計領域にも回路設計で構築した仕組みを活用し、効率化することに力を注いでいます。CADを使えば、接続状態を視覚的に把握できて接続設計を効率化できますし、CADのチェック機能を活用することで誤接続や接続漏れ、同じ名前のハーネスが2本存在しているなどのミスを発見することができます。

現在はユーザーである人工衛星の設計者の要望を聞き、改良を重ねているところです。ただ依頼を受けて処理するだけにとどまらず、多くのハーネスが複雑に接続されている人工衛星の設計効率化に向け、こちらからも積極的に提案する姿勢を大事にしていきたいと思っています。

社内の雰囲気としては、とにかく優しい人が多いですね。部署内の人はもちろん、初めて会う他部署の人に相談する際にも、多忙ながら親身になって考えてくれて、私もそのような人間でありたいと思いました。風通しが良く、心理的安全性も高いように感じます。キャリア入社であっても、新卒入社の人たちとの差を意識することがないほど平等に扱われていますし、目上の人にも率直に意見することができます。

他社との連携不足が露呈。自らの仕事が及ぼす影響の大きさを痛感し、教訓を胸に刻む。

前職の電機メーカーでは新規電子デバイスの企画に2年、新規電源モジュールの研究開発に4年半携わりました。研究開発のプロジェクトでは回路・基板・熱・樹脂筐体(プラスチックで作られた外装部品)の各設計から試作品の評価まで、ものづくりで一通りの経験ができたと思っています。

転職を考えるようになったのは、プロジェクトが区切りを迎えたころでした。今後のキャリアを見つめ直した時、これまでの経験を生かしてより社会に影響を与えられる大規模な事業に関わりたい、という思いが芽生えてきました。

その中で、心惹かれたのがNECです。官公庁向けの大型案件を数多く手がけていますし、社会基盤の領域ではものづくりの要素が大きいので、ハードウェア開発に携わった経験が生かせるのではと考えました。

大きな事業を進める一員になるということで、仕事を抱えきれるのかという不安がよぎったこともあります。しかし、どれだけ組織が大きくても、ひとりでできる作業量は限られています。個々が専門性を持ってうまく協力し合えたら、きっとスムーズに業務を進められるはずだと考え、入社を決めました。

仕事をする上で、私が大切にしている価値観があります。それは、自分の仕事内容がどれだけの範囲に影響を及ぼすのかをよく考えてから動くべき、ということです。

回路設計に加え、その後工程である基板設計を扱っている時のことでした。新しい機能を作り、運用を始めたのですが、基板設計を共に進めている社外のパートナー企業との調整不足でうまく連携できず、結局、日程がかなりずれ込んでしまいました。社外企業が関わる部分については影響が少ないと、甘く見込んでいたのです。自分の仕事が影響を及ぼしうる範囲を、事前にしっかりと確認し、必要な調整を十分に行わなければならないと痛感した出来事でした。今も教訓として、胸に刻んでいます。

先輩社員と議論する際に、ひと工夫。複数の仮説を提示することで、より深い知見を得る。

入社して3年目を迎え、手応えを感じる瞬間もあります。在庫管理システムのデータをCADに毎日取り込む機能を私がメインになって考え、実際に運用が始まりました。入社後、ほんの一部分から始めたCADの機能改善や運用担当業務ですが、今では全体を俯瞰して扱えるようになったと感じています。設計環境の大幅な改善や、サーバの管理までできるようになったのは、自分でも成長した点だと思いますね。

自分では解決できない事態が起きた際は、その分野に詳しい先輩社員と議論させてもらうのですが、あらかじめ複数の仮説を用意するように心がけています。それによって議論が広がり、より深い知見が得られるように思います。

そういった取り組みを重ねながら、担当領域であるCADや設計関連で必要なことは、自分で解決できるようになりたいと考えています。NECの行動基準「Code of Values」で言うと、「心は情熱的、自らやり遂げるように」という部分に通じるのではないでしょうか。社内を見渡すとさまざまな分野の専門家がいて、それぞれがプロフェッショナルとして活躍しています。先輩たちに肩を並べられるように、研鑽を積んでいきたいですね。

NECについて、入社前の想像を上回る点があるとすれば「品質の高さ」です。前職の研究開発では「成功するかどうかはわからないけれど、まずはやってみよう」という感じでした。しかし社会インフラに関わる今は、起こりうる事象を徹底的に考え抜いた上でチャレンジすることで、予期せぬトラブルを最小限に抑えることができ、高い品質が保たれているのだと思います。

私たちのチームが構築・運用している開発環境でも、何よりも責任感と慎重さが求められます。ひとつ不具合があれば、すべてのCADユーザー、多くのプロジェクトに波及するからです。一方で、効率化に向けた施策が実行できれば、たくさんのプロジェクトの品質向上に寄与できます。それは日々仕事をする上で、大きなモチベーションになっていますね。

大切なのは「どの会社か」ではなく「何をするか」。自分の強みを見つめ直して働く。

現在携わっている航空宇宙・防衛領域には非常にやりがいを感じており、今後もこの道を進んでいきたいと思っています。まず、開発基盤の強化という点では、CADと他のシステムとのさらなる連携が重要だと考えています。研修会への参加や情報処理技術者試験などを通じ、ネットワークやセキュリティ関連の知識を補いながら業務を進めていきます。

そして、CADを通して回路設計のQCD(品質・コスト・納期)を向上させ、CADのハーネス接続設計領域への水平展開も加速させていきたいですね。最終的には航空宇宙・防衛領域のシステム・ハードウェア開発工程全体について、効率化に貢献したいと考えています。技術者の視点を持ち続けながら、社内のあらゆる業務の改善に気を配っていければと思い描いています。

NECでは最近、キャリア入社の人が増えてきています。新卒社員がメインの日本企業というイメージを持っている人が多いかもしれませんが、中途だから、新卒だから、という観点で判断されることはまずありません。多様なキャリアを持つ人はむしろ、歓迎されるのではないでしょうか。とくに、従来の業務の枠から飛び出すような新しいプロジェクトをやる上では、知見を生かして活躍できると思います。同じ社員として共に、新しいNECをつくり上げていけたらいいですね。

かつては「この会社で働いてました。その中でこんなことをやっていました」という考え方が主流だったかもしれません。しかし、転職が当たり前になってきた今では「こういう仕事をしてきました。それをこの会社でやっていました」という感じで、 仕事内容が先に来るような考え方が広まっているのではないでしょうか。転職を考えている皆さんには、自身のバックグラウンドや強みを見つめ直し、それを生かしてどんな仕事ができるのかをじっくり考えていただければと思います。その上でNECに関心があれば、ぜひ一緒に働きましょう。

※ 「Code of Values」:NECグループ共通の一人ひとりの価値観・ふるまいを示した行動基準

※ 記載内容は2023年11月時点のものです

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