NEC Orchestrating a brighter world
NEC Orchestrating a brighter world

社会価値を生み出し人々を豊かにする技術研究へ。

澤田 あずさ

研究職
グローバルイノベーションビジネスユニット
ビジュアルインテリジェンス研究所

澤田 あずさ

幼い頃から物事の成り立ちに惹かれ、理系の道を志す。就職活動の際に受けた企業合同説明会でNECのユニークな研究テーマを目にして、画像認識技術を使った事業ソリューションの可能性に心動かされ入社を決意。研究者として液体中の異物検査チームで技術開発に携わる。

※2023年4月公開。所属・役職名等は取材当時のものです。

ユニークな研究を
ソリューションとして社会に役立てていく。

幼い頃から物事の成り立ちにとても興味があり、一番好きな教科は理科でした。大学では物理を専攻するのですが、直前まで化学か物理かで悩みました。ちょうどその時期に日本人がノーベル物理学賞を受賞したというニュースが出て、そんな後押しを受けて物理学を選びました。物理学科での研究も非常に興味深かったですが、もともと自分の中では、博士課程に進んで大学で研究を続けるというよりは就職しようと考えていました。そうして就職活動のタイミングとなり、物理系の学生向けの企業合同の説明会に参加した時にNECと出会いました。

NECの説明会で紹介されたテーマがユニークで、コンクリートの振動を撮影した映像から内部のヒビを検知したり、メロンのしわで個体を認証するなどとても興味深い内容でした。これまで深く知る機会のなかった画像認識技術分野での就職を考え始めたのもこれがきっかけでした。仮説と検証を重ねて期待の動作をするモデルを構築するというやり方が物理の研究と重なる部分もあり、さらにそれが事業価値として社会に活かされ私のモチベーションにもつながる。そう考えNECに入社を決めました。

研究を続ける意義と成果を考え抜く。

入社後、物体検出系のテーマに着手し、先行研究の再現実験に取り組んだのですが、実験用に公開されているコードが不完全で中々結果を再現できず苦しみました。別の部署の方にもヒアリングしながら取り組んだことで複雑な物体検出での処理や実装の詳細や落とし穴がどこにあるのかなど多くのことを学ぶことができました。その時のノウハウは以降様々なテーマで役に立っています。

次のテーマでは、インフラへの活用を想定した異常や劣化の予兆を検知する技術の研究を行いました。実際に異常が起こる前後のインフラ上での実験や撮影は難しいため、バナナの表面に現れる斑点の出現の様子を撮影して技術の検証を行いました。少し変わった実験でしたが、インターンや外注の方と共に進め、国際学会発表まで一通り経験することができました。

入社2年目からはこれまでの研究とは違い、より実用化を見据えたテーマで事業部からの委託研究にも取り組みました。内容としては衛星写真から船舶、航空機を検出するというものですが、ノイズや湾曲が発生する衛星写真から情報を読み解くことは人でも難しいため検出技術だけでなく正解データの作成にも苦労しました。さらに委託研究という側面から、これまでの研究と違い、与えられたスケジュールの中でどこまで成果を出すのか、シチュエーションに合わせた技術検証を行うなど上司の指導のもと学びの多い内容でした。

長く発展し社会に使われる技術を生み出す。

現在は、液体検査プロジェクトで検査装置の研究・開発にチームで携わっています。液体中の異物検査を行う処理のうち、私は検出された小さなものを動きの違いで異物か否か見分けるための時系列データ識別の技術を担当しています。メンバー間の調整やお客さまと協力しての技術実証など苦労する点も多いですが、自分の作った技術が製品の一部として役に立つことを想像しながら尽力しています。

これまでの研究の中で、実験1個1個に時間をかけすぎずに数を打っておくことが、より良い成果を出すために重要だと分かってきました。複数のテーマを抱える中で実験の質を保ちつつ短い時間で効率的に研究を行うことは大変ですが、必須と思い試行錯誤しています。目標は、NECの強みになるような認識技術を自分の手で生み出すことです。変化の速い分野なので難しいですが、長く進化しながら使われる技術を作ることで、私も楽しく研究しつつ、チームの活動の柱になれればと思っています。

My favorite CoV

「思考はシンプル、戦略を示せるように」を一番意識しています。私自身よく考えると見えてくるような課題の研究テーマが好きなので、他の人に価値を理解してもらえるように表現することによく悩みます。ですが、論文や発表の質だけではなく研究を応用につなげることなどほぼ全てに影響するので、シンプルに考えて示すことの重要性は強く実感しています。

CoV:「Code of Values」。NECグループ共通の一人ひとりの価値観・ふるまいを示した行動基準

CAREER STEP

2017

ディープラーニング入門・研究開始

配属されてすぐ、ディープラーニングを用いた画像認識関連の研究を広く調査してまとめました。異分野出身だったので自分の勉強にもなりましたし、全社内で多くの人が私の調査結果を利用してくれました。その後は、物体検出系の先行研究の再現できなさに苦しみつつ、異常の予兆を検知する技術で、国際学会発表までを一通り経験できました。

2018

衛星画像からの物体検出

並行して事業部からの依頼テーマの担当も持つようになりました。人が見ても理解しにくい画像について、画像処理や認識技術だけでなくどのように正確な正解データを作成するかという部分の研究に取り組みました。

2020

液体検査プロジェクト

プロジェクト単位で一つの装置を研究・開発しています。メンバー間の調整やお客様と協力しての技術実証など、苦労する点も多いですが学べることも多いです。

Q&A

Q

現在のお仕事内容の概要

A

主には液体中の異物検査にチームで取り組んでいます。私は、その中でも小さなものを動きの違いで見分けるための時系列データ識別の技術を担当しています。

Q

現在のお仕事のやりがい

A

人でも見つけるのが難しいレベルの小さな異物でも、検知できるような検査装置ができてきたことです。

Q

現在のお仕事の成功体験

A

動きのデータに適したモデルを考案し、国際学会での発表につなげることができたことです。

Q

現在のお仕事の難しい点

A

機械学習による識別技術を作っていますが、撮影の方法や小さなものを見つけ出す検出技術が変わると入力データが変化してしまい精度が落ちることがあります。前段の影響を把握・対応しつつ担当パートの改良も進めて行くのがなかなか大変です。

1日のスケジュール

9:30

頭を使わない仕事から開始

事務手続きや論文探しなど、比較的頭を使わない作業から始めます。

11:00

研究・開発

上記の作業が終わり次第、研究や実装作業に入ります。

12:00

昼食

在宅時は調理が簡単なものや冷凍食品を活用して済ませます。

13:00

研究・開発

テーマが複数あるので、曜日や午前午後で分けてペースを調整しながら取り組みます。

15:30

休憩

コーヒーを淹れたり別部屋で飼い猫をなでたりして少し頭を休めることが多いです。

16:00

研究・開発

今日の作業予定を見直しつつ、ラストスパートで集中して作業します。

19:30

終了

夕食の時間に合わせて終了。

private

private

二人暮らしで夕食を分担して作っていますが、ほぼ毎日在宅勤務なので多少残業がある時期でも家で落ち着いて食事できるのがすごくありがたいです。食事とお酒が大きな楽しみのひとつなので、ボーナスのあとに贅沢したり出張のときに外食やお土産を満喫しています。

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